日本における部活動のあり方も変えていかないとな

 さて、9月末の文化祭で俺は引退する。


 そういえば夏の甲子園だが準々決勝でPL学園を破ったうちの学校が無事に優勝したようだ。


 今年は他の出場校からのマークがかなりきつくなっていて大変だったみたいだけど、さすがのPL学園も一昨年までに比べると選手が見劣りしていたのもあると思う。


 高校の部活は長くても3年で選手がすべて入れ替わってしまうのだからこれはどうしようもないことだが。


 ただ高校の部活には様々な問題があるのも事実だ。


 うちの学校は生徒に対して部活動への加入が強制ではなく、バイトも割と自由に行えるが、学校が部活への入部を強制している場合も少なくない。


 本来部活動というのは、学習指導要領で「生徒の自主的,自発的な参加によるもの」とされているのでおかしな話なのだけどな。


 更には運動系部活では体罰や罵声を浴びせるのが日常茶飯事のところもあるようだ。


 また生徒だけでなく 教師に対しても部活動の顧問を強制している学校が存在する。


 さらには部活動の顧問として向いているのかどうかも考えられておらず無賃での部活の顧問をやらされることも多いらしい。


 そんな状態では、そもそも良い授業などができるはずもないだろう。


 ”前”では、少子化に伴う学生の現状に伴う部員数の減少や部活を担当できる教員の不足によって、そもそもまともに部活動どころか集団での授業をできなかったり、希望する部活がそもそもなかったりという状況になったりもしたが。


 また、顧問教師の転勤や高齢化、定年退職により、部活動が行えなくなったりして、休廃部に追い込まれる場合も増えていった。


 逆に顧問が自分の名誉欲を満たすために生徒に無理をさせるケースもまた少なくないのだが。


 そして部活動が行われるのは平日の早朝、放課後や休日であることが多いが、それ自体が生徒や顧問教師への大きな負担であったりもする。


 部活での生徒指導が好きでやりたい教師はいいが、そういったことをやりたくない教師にまで押し付けられルノも問題だな。


 部活動自体が生徒や教師に対して過度な負担をかけているブラックな環境であることも少なくないってことだな。


 さらにスポーツはは学校でなく、地域のスポーツクラブなどで行う方がいいという機運も高まっていた。


 野球などはもともとそういう側面があり良かったがサッカーやテニス、バスケットボールなどで本格的にプロを目指している少年少女たちの多くは学校の部活動ではなく、専門のクラブやスクールに所属することが多い。


 これは勉強における塾通いや家庭教師も同様なんだけど、無論これもまた別の問題があり親に財力がないとなかなか難しいという問題も出てくるのだが。


 制服や給食も、私服や弁当では親の経済状態がわかってしまいそれが差別につながるということから導入されている場合も多いが、それがかえって負担になる場合もあるし、公平と平等のバランスをとるというのは難しいことなのだと思う。


 そして80年代は家庭内での伴侶への暴力や児童虐待、職場でのパワハラなどもまだまだ問題意識されていない時代でもあった。


 俺はそういった問題を傘下の新聞の記事に掲載させ、テレビでも放映し問題意識をもたせていき、問題が問題であると発言できる方向へ進めていった。


 ああ、ゲーム制作部の部活動の引き継ぎ自体は特に問題なく行えたよ。


 北条先輩から業務を引き継ぐことになっている豊臣さんは北条先輩が処理していた仕事の量に目を丸くしていたみたいだけどな。

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