アイドルや声優・俳優の所属してる芸能プロダクションもだいぶ安定してきたみたいだな

 8月21日、ニャンニャンクラブのラストシングルが発売され、夕方ニャンニャンが番組終了。


 さて、ニャンニャンクラブの解散が正式に告知された。


 もうすぐ夏休みも終わるが、俺たちはゲーム制作部部室で夏休みの宿題を片付けたり、仕事をしていたりしている。


「それにしてもニャンニャンクラブも短い栄華だったな……」


 俺がそういうと北条先輩はこくりとうなずいていった。


「そうですわね。

 正直1年半前では考えられないことですが、1年前にはすでに分かっていたことではありました」


「それは確かに。

 去年の8月ぐらいには明らかに勢いが落ちていたのは間違いないし」


 ニャンニャンクラブのメンバーでグループの活動中にソロレコードデビューしていた者を中心に芸能事務所に所属していたメンバーは芸能界に残れたが、それ以外のメンバーのマネージメントは藤テレビが行っていたため番組終了とともに、活動続行不能となって同時に引退となった。


 すでに6月15日には番組の終了とニャンニャンクラブの解散は告知され、新規メンバーを選ぶ番組内オーディション・コーナーも終了していたが


 2年前の昭和60年(1985年)、4月1日にグループ結成からの7月の人気急上昇。


 そして昨年昭和61年(1986年)の夏までは人気の絶頂にあったのだがメンバーの入れ替わりの激しさにファン離れが加速し、視聴率も低迷、およそ2年でグループは消滅することになった。


 その後の朝娘やAKIBA48などの女性アイドルグループは知名度の高いメンバーの卒業による入れ替えを伸ばすことによって短期間での人気の大きな低下を防ぐ様にしていたがやはり長期的に見れば人気の低下は避けられないのは仕方ない。


 そういう意味では男性アイドルグループのほうがずっと安定はしているといえるな。


「逆にうちのに青年隊や8月デビューのGENJIホタルの人気はかなりのもので、紫sikibuも滑り出しは順調だしこっちは安心だな」


「ジャーニーズのやり方は理にかなっていますからね」


「グループメンバーとは別にバックダンサーに踊らせてその中から新しいグループメンバーを抜擢するっていうのはたしかにうまいやり方だよな」


 実際にAKIBA48はそれにかなり近いやり方だった。


「これで芸能事務所のほうも大体安定しそうかな」


 俺がそういうと北条先輩はやはりうなずいた。


「そうですわね。

 アイドルはグループで売り出すことで個々にファンをつかませグループ全体として安定した人数を集めることができるようになったと思います」


「声優のほうはアニメや洋画の吹き替えのほかにゲームの仕事が加わるのが大きいよな」


 俺がそういうと浅井さんがうなずいた。


「アニメの仕事は競争率が高いですから仕事が増えるのはとても助かります」


 サンシャインのゲームは声優が吹き込んだ声付きのゲームが次々に開発されたり、パソコンからの移植の際に新たに声が追加されたりしているため声優の仕事の種類も増えているのだ。


「それにアニメよりお給料が高いですしね」


「まあアニメと違ってオーディションに受かれば、毎週仕事が入るってわけじゃないけどな」


 俺がそういうと横山さんも言った。


「それでも仕事が増えるのはありがたいですよ。

 秋葉原の雑居ビルのバイトでも十分食べられるお金はもらえますけどね」


「やっぱり安定して生活ができるくらいにはしないとね」


 その他俳優の卵は仮面バイカーやアルテママン、宇宙警察などのメタルヒーローものの特撮で積極的にオーディションを開催して無名な若手を採用し、刑事ドラマの東部警察や時代劇もテレビアカヒの木曜時代劇の人気番組である暴れん某将軍、遠い山の金さん、必ず殺すシリーズ、三人が斬る!シリーズなどのエキストラやスタントマンなども積極的に募集して刑事ドラマや時代劇枠に力を入れてもいる。


 また可能な限り映画俳優とテレビ俳優は制作時期が被らないようにもしている。


「やっぱりテレビアカヒや大日本映画を手に入れられたのはでかいな」


「そうですわね」


 さらにアカヒ新聞と週刊少年ホップなどの集英組と小学組なども手に入れているのは大きいな。


 アイドル・声優・俳優などの芸能系は人気商売だから完全に安定はしないにしても”前”よりはだいぶましになったと思うぜ。

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