今年の文化祭は去年以上に盛り上がったぜ
さて、あれこれやりながら今年もゲーム制作部は、文化祭の展示のために特別教室の使用許可申請を出して部屋を確保した。
去年と同じ情報処理実習室の一つを借り切って、前日までにライジングのオリジナルハードに加えてスペシャルロボット大戦や、プリンセスプロデューサーの体験デモソフトもきっちり用意し無料で体験できるようにもした。
「よし今年はこんな感じで大丈夫だろう」
北条会長は去年の喫茶店が結構な売り上げになった事を覚えているので、無料の展示だけなのは少し不満そうではあるのだけど。
「去年のように今年も喫茶店をやればお金になりますのに」
流石にそういう会長には苦笑せざるを得ない。
「いや、いまさら文化祭でちまちま小遣い稼ぎしなくてもいいくらい、今年はゲームで稼いでない?」
俺がそう言うとキッと北条先輩は俺を睨んできた。
「それはそれ、これはこれですわ。
金儲けの機会があるというのに、それをみすみす逃がすのはどうなのかということです。
今年は女性メンバーもどっと増えましたのに」
呆れたように言うのは朝倉さん。
「あー、本当にこの銭ゲバ女はいい加減にしろですよ。
今年はゲームの説明が色々あるですし」
明智さんもウンウンとうなずいている。
「一緒にウエイトレスをやらされる方の身にもなってほしいっすよ」
斉藤さんは半分呆れているが半分感心しているようだ。
「ここまで徹底していると逆に清々しささえ感じるわね」
そして苦笑している千葉さん。
「私もあやうく巻き込まれるところだったのかな?」
その他にも今まで発売したホムコンやSAGAマーク3ソフトに加えて、対戦型ジュエルス2やリズムマニアックスなどのアーケード筐体なども含めて俺達が作ったゲームの展示の準備を無事整えて、文化祭当日を迎えた。
そして早速人が並んでくるので、整理券を配布して順番に案内を開始する。
「おおーこれはすごい、ロボ好きにはめちゃくちゃ燃えるな!」
とスペロボの無料体験で1面をクリアしている男子中学生が感動していたりする。
「このゲームの女の子かわいいし、面白いわね」
とプリンセスプロデューサーは女子中学生に結構人気だ。
そんな感じでゲーム制作部の展示は当然盛り上がったが、それ以外にもかなり盛り上がっている。
「私が谷津遊園へ呼んだ縁もあって、かれらがうちの文化祭に来てくれたですよ」
そう得意げに話すのは朝倉さんだが、今や人気ロックバンドとなった
「ああ、彼らも今や人気バンドだよな。
特にギタリストのhidetoは女性人気がすげーし」
「まあhidetoは外面だけは良いですし?」
「なんで疑問形なんだろう」
「あいつ外面はともかく実際はかなりナイーブです。
ゲームが好きで結構ゲームで遊んだりしていますよ。
ああみえておばあちゃん子で、髪型をいじったりできるのは美容院を営んでいたおばあちゃんの影響ですよ」
「へえ、それはなんか意外だね」
更にマックロデスの二期OPを歌う浅井さんと岡畑由紀子さんのコンビのコンサートも開かれていてこちらも盛況だ。
「ユッコー!」
「ひーちゃーん!」
岡畑有希子さんは今でも浅井さんと一緒に恩賜園に入って暮らしていて、夏祭りにも参加していたが、今年の春からみれば精神的にもだいぶ落ち着いたと思う。
浅井さんや横山さんと岡田さんはすっかり仲良くなったのもいいことだと思うよ。
ただ、今後もhidetoも含めて、メンタルケアとかはこまめにやっていく必要はあると思うけどな。
また芸能コースは、去年の俺たちや秋葉原の雑居ビルでやっているようなメイド喫茶、執事喫茶をやっていて、現状ではまだ売れていないが、結構豪華なメンバーによる接客が行われている。
女性は引き抜きをかけた横山智左さん、岩女潤子さんや国府台マリ子さんに編入してきた河上とも子さん、永沢美樹さん、西叢ちなみさん、倉珠雅世さんなど。
男性は置藍龍太郎さんに加えて岩永鉄哉さん、高瀬昭光さん、千葉進さん、乃村健ニさん、矢部賢人さんなど。
”前”を知ればまじで?と思うようなメンバーも混ざっているよ。
全然無名のままで終わるんだろう、俺は全然名前を知らない人達も多いけどね。
無論クラスの出し物も昨年同様様々で、食べ物屋に加えてお化け屋敷や迷路、ディスコもどきもあれば、真面目な文化的展示や教室での自主制作映画の放映もやはりある。
体育館では
二日間の文化祭はだいぶ盛り上がってよかった。
この頃アイドル業界はニャンニャンクラブの活動初期からの著名なメンバーが脱退していった。
とはいえ、中期から後期の人気を支え、その後も芸能界に残っていくメンバーが続々と加入しては来ていて、今年のオリコンシングル1位獲得46曲中なんと、ニャンニャンクラブ関連が30曲という状態であった。
だが、8月末に全国公開された彼女たち主演の映画が興行的に失敗に終わり、テレビ番組の方も視聴率もピークだった今年初頭から下がり続けていっている。
独走状態には明らかに陰りが見えていたりするんだな。
80年代半ばから後半は”正統派アイドル冬の時代”であったが、ニャンニャンクラブのブームに加えて、1980年代終盤から1990年代前半にかけてのロックブームによるところも大きかったと思う。
それによって、正統派アイドルはバラエティアイドル路線に変わっていくのは時代の流れなのだろう。
ニャンニャンクラブのブームが終わればまた正統派アイドルが売れると考えてる芸能事務所は、これからもっとやばくなるだろうな。
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