三重の長島温泉ランドはいい物件だった

 さて、奈良の夢幻ランドに関しては中途半端に舞浜のぱちものっぽい雰囲気を変えていけないとだめだとは思うが、最悪夏のプール・冬のスケートだけでも収益は十分出るので、その他のアトラクションに関して人気のないものをどんどん入れ替えていくしかないかなと思う。


 ただ、舞浜に本家ができたダメージは距離的に近い横浜ほどではないと思うけどな。


 むしろ奈良全体の観光を盛り上げていくことを考えるべきだとは思う。


 旅館の朝ご飯は新鮮な吉野鮎の塩焼きでなかなかうまかった。


 ただこういうご飯がおいしい旅館は今はまだおそらく少なくて、修学旅行で需要がまかなえてしまうため大しておいしくない飯の宿のほうが多そうなのだよな。


 個人的には京都や鎌倉よりも自然が残っている気がするので時代劇の撮影をやったらよさそうだと思うんだが、これは地道にやっていくしかないだろう。


 そして長島の長島温泉ランドへ向かうために奈良からいったん京都へ国鉄の快速で向かい京都から名古屋へは新幹線で向かう。


 近鉄を使ってもいいのだが途中で何度も乗り換えがあるようなので間違えにくい国鉄を使っている。


 国鉄の名古屋で降りたらレンタカーを借りて長島温泉ランドまで車で1時間ほど。


 長島温泉ランドは元々昭和38年(1963年)に天然ガスを採掘していたところに温泉が湧出したのをきっかけに昭和39年(1964年)に、円形大浴場や大ホールを備えた温泉施設の「グランスパ長島温泉」の営業が開始。


 昭和39年 (1964年)に「ホテルナガシマ」、昭和41年(1966年)に遊園地「ナガシマ温泉ランド」及び、「ホテルナガシマ和風別館」の営業が開始されたというかなり古い歴史を持っている。


 その後世界最大級の屋外海水プール、ゴルフ場やボーリング場、アウトレットモールショップなど様々なリゾート施設を併設していったことで、”前”では「ナガシマリゾート」の来場者数は約1500万人、長島温泉ランドも単体でも約500万人と西のナガシマ、東の富士急と言われるほどに絶叫系マシンの充実した遊園地として有名になりアトラクション数も日本一となったり各地からの送迎バスを出すことで、国内でも有数の入場者数を誇るようになるのだが、現状では実は結構微妙である。


 その理由はアクセスの悪さ。


 長島の南端にあるため鉄道の駅からは結構離れているうえに国道23号(名四国道)や国道1号はかなり渋滞しているんだよな。


 これも伊勢湾岸自動車道ができるとだいぶましになるんだけど。


 ただ、アクセスの悪さは内容で補うとばかりにプールには最新のめっちゃくちゃ怖そうなフリーフォールスライダーなどがあり、ジェットコースター系も最新の絶叫マシンのルーピングスターなどが導入されている。


 そして規模的に同レベルで競合する遊園地が近くにはないというのも強い。


「そこそこにぎわってるな」


 北条先輩がうなずいて言う。


「ええ、ですが、お盆前後はものすごく混雑するそうですわ。

 愛知にある自動車会社の工場がお休みになりどっと人が詰めかけるそうですから。

 入場者数の半分はその時期に来るという話もありますわね」


「なるほどな、そりゃ死ぬほど混みそうだ」


 現状ではそこまで混んでいるわけではないけどな。


 現状ヘルスセンター系の温泉施設の人気は衰退中で遊園地に関してもアトラクションが世界ギネスというものはまだないしな。


 ただ将来的には舞波や大阪のテーマパークに次ぐ入場者数を誇る施設になるのだからその点では安心できるし、その原動力は愛知の自動車産業にあるということも考え合わせると心強い。


 いつも通り絶叫系チームとほのぼの系チームに分かれて遊園地を楽しみ、露天風呂もある温泉施設の温泉に入ったあとでオフィシャル施設の和風旅館にて夕食を食べるが、伊勢海老、ハマグリ、カキ、アワビ、サザエといった海産物に加え三重といえば何といっても松坂牛だが、そのしゃぶしゃぶはうまかったよ。


「この伊勢海老のお刺身。

 すっごくおいしいです」


 浅井さんがニコニコしながらそういうと横山さんも言った。


「炭火焼もたまらなくおいしいよ」


 そして上杉先生も通常運転だ。


「松坂牛のしゃぶしゃぶというのもいいものだな、実に地酒に合う」


 締めのデザートは抹茶のかき氷の中に赤福が入った赤福氷だったがこれもよかったな。


「奈良に比べ三重はずいぶん特産品が多いな」


「そういう意味ではいろいろ安心ですわね」


 常磐ハワイアンセンターもそうだがここもタイミング的に営業が微妙な状態だったのでうまく買収することができてよかったよ。


 明日はプールを楽しんだら帰りになるが中々いい体験ができたと思うぜ。

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