広島と岡山は隣だが食べ物はそれぞれ特徴があって面白いな
さて、宮島の温泉旅館の朝食は契約している農家の野菜や卵、漁師の魚を使った和朝食だ。
「ん、この味噌汁うまいな」
関西らしく味付けは比較的薄味だが十分うまいし、米もいいものを使っているようだ。
「団体客向けのホテルだと安い米をまとめて買っていたりするがここの米はいい米を使っているな。
日本酒も米飯も元になる米の品質は大事だと言うのがよく分かるな」
上杉先生も上機嫌で米飯を食べている。
ここの温泉旅館自体には文句はないのだが広島の観光名所が原爆ドームと厳島神社以外が弱いのはちょっと気になるところではある。
天然温泉もあるが別府などに比べれば有名ではないし、広島ナタリー遊園地をテコ入れするとしたらどうするべきか。
いっそメガフロートでも持ってきて駐車場はそっちに移動し、駐車場の跡地にアトラクションを新設するというのも一つの手かもしれないな。
宮島からフェリーで本州へ渡り、広島から岡山まで新幹線で移動した後、宇野線に乗り換え宇野まで行ってレンタカーを借りて鷲羽山高原ランドへ向かう。
ここはもともと昭和46年(1971年)にドライブインとして開業し、その後遊具を設置していったが、今年の昭和61年(1986年)に敷地を広げ、つくば万博より移設したスタンディングコースターなど4つのジェットコースターをはじめとした各種絶叫マシーンも備えた遊園地としてリニューアルオープンしていて、現状ではまだ開通していないがほとんど完成している瀬戸大橋が開通すると鉄道及び自動車の四国からの利便性も格段に良くなり発展するのだな。
ちなみにメリーゴーランドや観覧車と言ったアトラクションもちゃんとあるし、ふれあい動物園や夏にはスライダー付きプール、冬はアイススケートリンクといった物もあり、岡山県民の間では、よく遊びに行く遊園地として親しまれているらしい。
そして山の上にあるので園内は見晴らしがとてもよく、瀬戸内海および現在架橋工事中の瀬戸大橋や大小の島々などが眺望できる。
天然温泉の鷲羽山吹上温泉もありロケーションも良いのだが、その分階段などが多いので年寄りには辛いかもしれない。
ちなみにここでもっとも怖いアトラクションとされるのは、世界一高くて怖い「スカイサイクル」で、自転車型のライドを自力でこいでレール上を進むのだが、高さ16mのなにもない上空かつ海側はめっちゃ崖の上で自転車をこぐというのはそりゃまあ怖いわな。
なお絶叫系遊園地の東の雄と言えば真っ先に名前が浮かぶ富士急高原ランドのスカイサイクルの高さは平均で地上5mだよ?
いつもどおり絶叫系チームとほのぼの系アトラクションチームに別れる。
「うーん、こんなに景色がきれいな遊園地は他にないっすよね」
明智さんがそう言うので俺はうなずく。
「だよな、ホテルとかもいくつか隣接しているし泊まりがけのレジャーにいい感じだ。
というかこの階段の多さは家族向けって感じじゃないよな」
「たしかにちいさな子供をおぶって階段を上り下りはきついっすね」
でまあ、スカイサイクルにチャレンジしてみたがたしかにこれは怖い。
普通スカイサイクルは動力などがいらないため、小規模なローカル遊園地やお子様向けの遊戯施設などに備えられることが多く、普通は、「ほのぼの系」遊具の代表といっても良い乗り物であったりするのだが高さ16mの他にはなにもない上空で漕ぐ自転車の落下防止のための道具はゆるゆるのシートベルトが腰に一本あるだけで、わざとなのかどうかわからないが漕いでいる間小刻みに横に揺れるのだ。
「いやこれまじで怖くない?!」
二人乗りなので横に乗っている明智さんに聞いたがめっちゃ楽しそうな笑顔だった。
「え、これめっちゃ面白いっすけど。
景色も最高っす」
ちなみに普通の絶叫マシーンは勝手に動いてくれるのである程度したら終わってくれるが、このスカイサイクルは自分で漕がないと進まないのだが恐怖で漕げなくなる人も続出するらしい。
そうなった場合後ろの人たちが押して帰ってくるらしいが押されると揺れてもっと怖くなるというおまけが付き、夜になるとライトアップされるが虹色に輝くレールの下は真っ暗闇で恐怖倍増らしい。
そりゃ世界でもっとも怖いアトラクションとか言われるわな。
「いや、まじで最後のカーブではそのまま海に突っ込んで行きそうだったよな」
「めっちゃ瀬戸大橋がよく見えたっす」
「たしかに瀬戸内海とかホテルとかよく見えたけどな」
とりあえずあんまり歩けない子供連れにもうちょっと優しい遊園地をめざすべきだろうし、移動用リフトとか作ったほうが良さそうだ。
ちなみに観覧車からの眺めは最高だよという報告もあったので、ここもテコ入れ次第では化けそうな気がする。
それから宿泊先のホテルに向かい温泉に浸かった後の夕食はタコ飯を中心に鰆や鯛やアワビの刺身、シャコフライなど瀬戸内の恵みを堪能させてくれた。
鰆は痛みやすいので刺身やたたきを食べられるのは珍しいがなかなか美味かったぜ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます