グリーンヒルランドのオフィシャルホテルはまずまずか

 さて、その後2時間ほどグリーンヒルランドで遊んだ後、16時過ぎにリゾート施設内にあるグリーンヒルランドのオフィシャルホテルである温泉ホテルへと俺たちは向かった。


「グリーンヒルランドがアレだったからこっちもちょっとだめかもなぁ」


 俺がそう言うと北条先輩も苦笑しながら言った。


「そうですわね」


 カタログスペックだけを信じて買うと損をすることもあるということだがまあ仕方ない。


  とホテルへ入る前は思っていたんだがここはグリーンヒルランドが出来た当初に一緒に設置されたホテルだが外観は古さを感じさせないスペイン風の建物で、その頃にしては画期的な存在であったらしく流石に内装には古さはあるが、各部屋は広めに作られていて居心地十分な上に、意外とホテルの中はロビーも案内された部屋も清潔感があり、従業員の対応もちゃんとしたホテルマン的に礼儀正しいものだった。


 ロビーにはソフトドリンクの自動販売機2台とアルコールの自動販売機があり、売店にはスナックやつまみ、アルコールのボトルも別途販売されている。


  北海道から持ってきた北海道名産のジャムやチーズなんかもある。


 九州で北海道名物が買えるというのは珍しくてなかなかいいんじゃないだろうか。


 フロントや客室などは2階以上にあるのだが、エレベーターがないのがちょっと不便なところはあるけどな。


 まあバリアフリーとかいう概念はまだまだない時代に作られているから仕方ないが。


 そしてホテルの客室の窓からはライトアップされたグリーンヒルランドの観覧車が見えて景観も十分綺麗だ。


 夕食は中庭にあるビアガーデンでそこではバーベキューバイキングが楽しめるという事でそれにしたが、アルコール類も飲み放題で食材やドリンク類の品揃えも豊富で用意された食材も十分上等なものだった。


 九州は鹿児島・宮崎・熊本・佐賀などはかなり畜産が盛んで豚や鶏の飼育も盛んだし佐賀牛や宮崎牛といったブランドを立ち上げて攻勢もかけている。


「さすが畜産が盛んな地域なだけはあるな、肉が美味い」


 俺がそう言うと上杉先生もうなずいた。


「ん、肉もうまいし酒もいいものを使っているな」


 特に上機嫌なのは上杉先生だがみんなも楽しそうに肉やら野菜やら海鮮やらデザートのフルーツやケーキを手にバーベキューを楽しんでいる。


「フルーツとケーキが食べ放題なんて最高っす」


「本当ですね」


「うーんこんなに美味しいフルーツが食べ放題ってすごいよね」


「明智さん達ちょっと食べ過ぎなんじゃ……」


「大丈夫っす、甘いものは別腹っす」


 減ってもちゃんと補充されるので明智さん・浅井さん・横山さんがフルーツやケーキをバカバカ食っているけど食べすぎて太らないかとちょっと心配だ。


 まあ個人的には日本人女性の多くは痩せすぎだからちょっとぽっちゃりしているくらいのほうがいいと思うんだけども。


「意外や意外に十分いいホテルだな。

 流石にちょっと古さは否めないけど」


 俺がそう言うと斉藤さんがうなずいた。


「ホテル施設としての屋外プールがあって夜でも入りに行けるというのはちょっと驚いたわね」


 ちなみに宴会場やゲームコーナーもある。


 そして北条先輩もうなずいていった。


「やはりサービス業は人ということですわね」


 部屋の中にトイレや風呂がなくて共用なのはまあ時代的に仕方ないだろうけどトイレもちゃんと奇麗に掃除されていて不潔な感じはしない。


 ちなみにグリーンヒルランドのレストランは食事もいまいちだったんだが、ホテルは四井の直営らしいのでレストランの食事も美味いらしい。


 グリーンヒルランドの運営は別会社で、四井は遊具と場所を貸しているだけの下請けへの丸投げであるからこんなに差が出るんだろうな。


 富士急高原ランドみたいに遊園地もホテルも両方直接でやればいいのになと思うのは俺だけだろうか。


 飯を食い終わってからみんなと別れて一階にある大浴場に入りに行ったが更衣室に用意されたカゴ毎にちゃんとタオルが用意されているのは良いし、天然温泉水を使っていてしかも浴槽が結構広いのもいい。


 グリーンヒルランドのプールにはろくにカゴもなかったらしいし随分差があるな。


 部屋数がリザーブルームを除けば28室しかない割にはかなりの広さだと思う。


 おそらく開業当時は高級ホテルだったんだろうな。


 と思っていたが意外に女風呂は混雑していたらしい。


「女湯は1歳とか2歳の小さな子供連れのお母さんが一杯で結構大変でしたわ」


「ああ、なるほど小さな子供はそっちに入れるだろうからね」


 流石にトイレの作りは古さが隠せないからこれはリフォームしたほうがいいだろうけど、ホテルに関してはさほどテコ入れはいらなそうだ。


 遊園地の客ではなくもう一つのリゾート施設のゴルフ会員の宿泊客をメインターゲットに考えているのならホテルの対応が丁寧な理由もわかるとは言えるけどな。


 そっちは間違いなく金持ちなわけだし。


 まあ旅は始まったばかりだし一人寝はちと寂しいが今日はゆっくり寝るとしようか。

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