経営が厳しいアニメ制作会社を買収したり他にも色々やっていこうか

 さて、この頃は結構経営危機のアニメスタジオは多い。


 たとえばスタジオジブチは1984年公開の映画『嵐の谷のナウシカ』の宮元監督のスタジオだが、監督である宮元駿監督が高田勲監督に映画の製作を提案したのはいいのだがその”柳河堀割物語”を製作開始して、高田は宮元が用意した資金を使い果たしたため、宮元監督は自宅を抵当に入れる事態となって四苦八苦しているところだ。


 またガイアックスも、劇場用映画『帝立宇宙軍 ネオアミスの翼』の制作費が過大ですでに借金をかかえている。


 その他ではスタジオクラウンは人気アニメであった”うるさい奴ら”の放送終了や、魔法のアイドルクレヨンユーミンの打ち切りで、自ら出資も行なう製作会社へと転換を図った直後でもあって大きな痛手であったらしい。


 どこもアニメ制作に対してこだわりのつよい所っぽいからな。


「北条先輩。

 アニメスタジオだけど、スタジオジブチ、ガイアックス、スタジオクラウンあたりは今厳しいみたいだし買い取れないかな?」


「アニメスタジオの買取ですか。

 状況が悪いというのであれば買い取るのは出来ると思いますけど、利益は出るのでしょうか」


「そのあたりは大丈夫だよ。

 実際今まで買い取ったアニメ会社もちゃんと利益は出ているでしょ」


「そうですわね、ではやってみましょうか。

 ああ、東京動画に関しての買収は完了いたしましたわ」


「うん、お願いね。

 あ、そりゃ良かった」


 うまく行けば未来の大人気アニメを制作するスタジオを確保できるかもしれない、東京動画を買い取れたのは幸先いいな。


「そういえば谷津遊園で、さっそくプリティファイターショーをやっているけど女児向けにプリティーファイターの衣装を着て変身コンパクトを持って記念撮影できる撮影部屋とか作ったらどうかな?」


「なるほど、それも良さそうですわね」


 そういえばコミケの同人小説を出している同人作家さんに女性向け恋愛アドベンチャーを作ってもらうのも良さそうなんだよな。


 問題はプログラマー不足なんだけど。


「ああ、そう言えば結城まさみちさんという方からアニメの企画が持ち込まれていますわ」


「へえ、どんな内容なんだろう?」


「警察がロボットをつかって事件を解決する人の死なないお話とのことですわね」


「あ、うん、それいいんじゃないかな。

 是非拾い上げてほしいな」


「わかりましたわ」


「超特急ロボ新幹線に続くタカイトククトイスのおもちゃ制作にも丁度いいだろうしね」


「そうですわね」


 全滅エンド系とかは多分もう時代に合わない気がするし、そういうほうが時代にあっていていいんじゃないかな。


「できれば早めにテレビ房総でニャンニャンクラブみたいなアイドルオーディションをやって、親しみやすいグループアイドルを結成させたいんだけど、今はやっぱ厳しいかな」


「そうですわね。

 現状でも他所から移籍してきたアイドルが沢山いますし、マネージャーやプロデューサーが足りていませんわ。

 ですから今すぐは厳しいですわね」


「だよなぁ、まあそこまで急ぐこともないか」


 これ自体はニャンニャンクラブの人気が落ちるはずの来年からでも十分だろうしな。


「所属している俳優さんのためにも夕張で三毛別羆事件を扱った映画を作ってみようか」


「三毛別羆事件ですか?」


「うん、1915年に北海道の三毛別で発生した、クマの獣害としては日本史上最悪の被害を出した事件なんだけどね。

 60年代から70年代にかけては小説なんかも結構書かれていたはず。

 福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ襲撃事件なんかは1970年で結構最近だしね

 ヒグマに対して注意を喚起するのは大事かなと思うよ。

 観光客が増えたら余計に危ないからね」


「なるほど、たしかにやってみるのも良いかもしれませんわね」


 まあこの頃は北海道の地元の人間はともかく観光客はヒグマの危険性とか全然知らない時代だしな。

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