更にいろいろな業種の買収を進めようか
さて、伊邪那美様の資金援助もあって、いろいろな会社の買収などを考えやすくなったのは大きい。
「会長、ロボットアニメなんかを作るにあたっておもちゃ会社も買い取っておきたいんだけどどうかな。
具体的には国際動画社が倒産する引き金になった、そこの変形ロボットなんかのおもちゃを作っていたタカイトクトイズって所で、基本的にこういうアニメはおもちゃを売ることで儲けてるんだよね。
タカイは業界第3位だったみたいだし潰れたばかりだから美味しいと思うし、プリティファイターの変身グッズなんかも作りたいと思うし」
プリティファイターグッズは本当はガンガンプラのダンバイが作ってるはずだけど。
「なるほど、では早速買収手続きを進めておきましょう」
「それと、熊野神社と金山神社のお守りとか絵馬とかパワーストーンを少年マンガ雑誌や少女漫画雑誌とかの雑誌に”僕はこれでお金持ちになって女の子にモテモテです”みたいな広告宣伝を出したいんだけどどうかな」
「あなたは本物の実例ですから皆さん欲しがるでしょうね。
お守りや絵馬でしたら税金もかかりませんし良いと思いますわ」
「あと、金塊が毎月来るなら、今預けてる証券会社の手数料は高いし、どっか小さい証券会社を買い取って自分たちで運営したほうがいい気がするんだけどどうだろう?」
「それもそうですわね。
わかりました。なるべく安く買えそうなところを早めに手に入れられるよう探してみますわ」
「金が入ってくるのがわかってて、安く買うことにこだわるとはさすがだね」
「当たり前ではございませんか。
別に無限に金塊が湧いてでてくるわけではないのですし、あくまでも潰れていたりする会社を買い取るから利益もでているのですわよ?」
「まあ、そうなんだけどね」
確かに俺たちは谷津遊園を筆頭に安く買えるものばかりを買収してるから、一部ではハイエナと呼ばれているらしいけど、普通はこうなってきたら、いっそでかい会社をバーンと買収しようとか考えて大抵は痛い目にあうんだけどな。
会長のそういう面のブレなさは本当に心強い。
「あと、ラジオ局とテレビ局も買い取れないかな。
ラジオ放送は作ってもいいと思うけど」
「ラジオとテレビですか?」
「うん、なんだかんだでラジオを聞いてる人はまだまだ多いしね。
小さい会社だと仕事の最中にラジオを流してるような会社もあるし、あと谷津遊園とかもテレビの宣伝ができればでかいしね。
とは言えキー局の買収なんてのは流石に無理だからテレビ房総あたりになるけど、テレビ房総は今はあまり資金繰りが良くなくて、お昼も実質的な放映をしてない時間があるみたいだ」
「つまり今なら安く買い叩けると?」
「多分だけどね、谷津遊園の宣伝なら多分テレビ房総でも十分影響はあると思うんだ」
「では、そちらもやってみましょう」
電気製品とか車みたいに全国でのCMでないと意味がないものと違って谷津遊園は基本千葉近辺ローカルでの宣伝でも問題はない。
「そうすれば高い金を払ってテレビCMを流す必要もないしな」
「問題は視聴率がどの程度あるかですわね」
「まあそれはあるよな、でも多分元は取れると思うんだ」
ちなみにアニメのOPには人気アニメーターの金田伊久氏に参加してもらっていて、J10シリーズもやってる関係で伝はあるのが助かった。
ほかにはメガソーン22に参加していた関係で庵野秀氏も参加していて、これで国際動画社の欠点と言われた作画の粗さやロボットの動きの少なさも解消されるだろう。
まあこの時期のスーパーロボットは大して動かないのが当たり前なんではあるが、その当たり前もスーパーロボットアニメが衰退する原因の一つだと思う。
あとは後々ロボットアニメの有名な監督となる小張正巳氏もまだ無名なので声をかけてもらってる。
そういった事もあってギガンティックロボはめちゃくちゃぬるぬる動いてるらしいから楽しみだ。
「やっぱロボアニメは動いてなんぼだしな」
それから、パソコン通信のBBSにSFの短編小説を掲載している東谷史氏に出版社の桃源郷社の編集長から声をかけてもらい、『デジタル・ディーヴァ・ストーリー 女神召喚』を今年の冬には出版する予定。
桃源郷社はれっきとした実績のある出版社だから良かったが、これを機会に小説を投稿して作家志望の人を集めるパソコン通信の掲示板サーバーを俺たちで立ち上げてみることにした。
”あなたも桃源郷社の作家になろう”という掲示板でこれで作家志望の人が他にも見つかるんじゃないかな。
そして将来それをゲーム化して人気シリーズにすることになるはずの、タイタンの設立メンバーにも声をかけている。
ここはプリティプリントなど業務用アミューズメント機器もいろいろ開発してるし、 業務用カラオケ機器設備も開発してるからこれらも俺たちで制作できるようにしたいからな。
「金に余裕があると本当にできることが増えるな」
「そのとおりですわ。
だからこそ無駄遣いはしてはいけないのですわ」
「まあ、そのとおりだよな」
コンビニエンスストアを俺たちもたち上げてみてもいいかもとも思ったが、早いところはもう10年以上前からやってるから今からじゃちょっときついか。
「ああ、潰れそうな駄菓子屋を支援したりするのはどうかな?」
「駄菓子屋ですの?」
「うん、まあコンビニとかと違って儲けはあんまりないと思うけど、どんどん潰れてるのを見ると悲しいし」
船橋は道路の幅が基本的に狭い上に中山競馬場と船橋競馬場があって、土日はめちゃめちゃ道路が混む上に、京成電鉄の踏切は開かずの踏切と悪名高いこともあり、ららぽーとが出きた上に船橋の駅前には東部百貨店と西部百貨店にイトーヨーカドーもあるけど、駅前の商店街には個人商店や喫茶店などが普通に残ってるし、京成電鉄にはいまだに「行商専用車」もあるくらいで船橋や谷津遊園の駅前では行商のおばちゃんがあさりとか野菜とか海ほおずきとか餅とかを売っていたりもする。
けど、やはりポツポツ潰れてるところはあるし、それは駄菓子屋も例外ではないんだよな。
俺がそう言ってると最上さんも頷いていった。
「私もそれに賛成です。
駄菓子屋さんが潰れていってコンビニなんかに変わっていくのをみるのは、正直悲しいものがありますから」
「なるほど。
ではまずは谷津近辺の船橋・習志野の状況を調べてみて、少しずつ範囲を広げてまいりましょう」
「うん、そうしてもらえると嬉しいよ」
「ありがとうございます、会長」
「八千代とかの行商のおばちゃんが持ってきてくれる、とれたて野菜や卵を使った食堂メニューなんかもいいかもな」
「新鮮な産地直送野菜やとれたて卵で作った料理ならたしかになら美味しそうですわね。
そういった農家に声をかけてみましょうか」
「うん、お願いできるかな。
でも駄菓子屋に理解を示してもらえるとはちょっと意外だったよ」
「別にボランティアでやるわけではございませんわ。
いずれそういったお店が少なくなったら逆にお客さんが来るかもしれませんでしょう?」
「うん、その通り、さすが会長だね」
「ふふふ、もっともっと褒めてくださってもかまいませんのよ」
会長がそう言うと斉藤さんが冷たく言った。
「調子に乗りすぎよ」
「あら、何もできないから嫉妬していますの?」
「別にそんなことはないわ、私も今色々やっているもの」
斉藤さんと会長はやっぱりいまいち反りが合わないみたいなんだよな。
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