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今から約4万5000年前、我々サピエンスはヨーロッパに到達した(諸説あり)。
なぜ我々がアフリカからヨーロッパに移動したか。それは、好奇心が原因だという。
サピエンスは非常に好奇心が強い生物である。あの先に何があるのかを知るために、アフリカという土地を捨て、世界各地に散らばっていった。
「あそこには夢と希望と危険があるぜ!」と、目標に向かって突き進んで行ったのだ。
アフリカから中東、中東からヨーロッパへ進んだサピエンスは
「今日からここが俺たちの生活の場かぁ。マジあげぽよ~」
と思いながらも、新たな生活を始めることにしたのだった。
しかし、このヨーロッパには先客がいた。背が低く、筋骨隆々で白い肌に赤や金の髪を持つ人類。
そう
ネ ア ン デ ル タ ー ル 人 だ っ っ っ !
我々サピエンスがヨーロッパに到達したときには、彼らはかなり数を減らしていたらしい。
両者は長い間併存していたが、約4万年前(諸説あり)にネアンデルタール人が滅びたことにより、クロマニヨン人がヨーロッパに生きる唯一の人類となったのだ。
ーーー
たがもしも、ネアンデルタール人が今も生きていたらどんな人間社会になっているだろうか?
ーーー
「今日はケサイの肉が安いよ!」
「あら、買おうかしら」
人工知能がケサイの肉を売り、そしてネアンデルタール人の女性がそれを買おうとしている。
ここはサピエンスが絶滅し、ネアンデルタール人が唯一の現生人類である世界。
時は2×××年。
ネアンデルタール人は、さまざまな困難を乗り越えながら徐々に数を増やし、そしていまや世界中に分布するこの世界の支配者となった。
人種のるつぼといわれるここネアタールでは、あらゆる人種が生活している。
本来のネアンデルタール人は白い肌に赤や金の髪、鼻は高くずんぐりとした体格をしていたが、さまざまな環境に適応するために、そのうち黒い肌を持つ者や小さな鼻を持つ者など、本来とは違う特徴を持つネアンデルタール人が現れた。つまり人種の違いである。
ーーー
「かつて我々ネアンデルタール人とサピエンスは、同じ時代に生きていたが、大体4万年前にサピエンスは絶滅した。」
とある大学では、人類学の教授がサピエンスについて説明を行なっていた。
「サピエンスは強い身体を持つ我々と違い、ひょろひょろで弱っちょろい生き物だった」
そう言いながら教授は袖をめくり、腕の筋肉に力を入れた。会場からは笑いが起こった。
教授「まあ、やつらが絶滅したのは弱かったからよ」
授業終了5分前。特に話すことがなくなった教授は腕時計を見ながら
「よし、ちょっと早いが今日はここまで。」
ーーー
講義が終わった後、ひとりの学生がスマホをいじりながら歩いていた。いわゆるながらスマホだ。
(なんかさっきから周りが騒ついてるな。)
いつもと明らかに違う空気を吸いながら、彼はスマホでいつものようにニュースをみる。
(ネアタール、異世界転移?政府が状況を確認中。)
「はぁ?」
彼は一瞬ばかばかしいと思ったが、すぐに真剣にスマホ画面をみた。
詳細をみると、30分ほど前、ネアタールはあらゆる外国と連絡がとれなくなったという。
政府はさまざまな方法で外を調べたとのこと。
「なんだよそれ...おかしいよ...」
SNSは大パニック状態だった。どこもかしこも異世界転移のニュースで持ちきりだった。
ーーー
ーーーシルバーハウスーーー
「大統領!調査の結果は...」
ネアタール大統領、コウジ・ナガハマの周りには、多数の記者が押し寄せていた。
ナガハマ大統領がどんな発表をするのか、ネアタールの国民は固唾を呑みながらじっとみていた。
ナガハマ「これはすっねぇ。まことに申し上げにくいんすけどぉ。異世界きちゃったみたいっすね~。」
記者「異世界だとっ!?」
記者だけでなく、記者会見の様子をみていた国民も驚いた。
「いや~、まさかくるとは思わなかったすわwマジやばくね?どうしよう。」
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