フルフュール


   【人物詳細】

 燃える焔の尾と翼を生やす長い茶髪の少女の魔神。

 魔の神格に加え天の神格も備えた稀有な存在。その本質は善悪のどちらにも傾く可能性を内包した真白の無垢とされている。

 魔神としての凶悪な基本性能はもちろんとして、天候操作の能力を持つ。暴風暴雨、落雷や雹を吹き荒らせて状況を掻き乱す。

 他の魔神達と同じくいくつかの軍団を所有しているが、ごちゃごちゃしているのは嫌いだからという理由で滅多に使うことはない。



   【目的】

 魔神の仲間を探している。

 本来であれば異世界に渡る術が無いので他世界にいるはずもないのだが、いくら自分の世界を探し回っても見つからなかった為、ちょうど良く開いた次元の穴を通って異界へ進出。

 基本的に人や他の生物を塵以下として見下す魔神の傾向に反し、話が通じるならそれなりの対話は可能とする。ただし同胞以外には何の興味も向けないので共存という思考そのものが存在しない。少しでも目障りと思ったなら劫炎に呑まれ焼き殺されることだろう。



   【能力】


 ・魔の神格

 魔神の一角として持ち合わせている存在脅威。

 魔神にして在りながら天神としての性質も秘めているフルフュールの矛盾性を体現したかのように、その神格は周囲の環境や条件を朧とし、順転を拒む。

 即ちが善性を悪性へ、信頼を疑心へ、直射を曲射へ。

 心持つ者が彼女と相対する際はまともな精神性は保てず、剣は鋭さを失い、銃砲は指向性を失うことだろう。



 ・〝天候操作〟

 魔神として持つ固有能力。屋外であればあらゆる干渉を跳ね除けて気象を操作することが出来る。精霊や魔術、五行の術式使用者であってもこれを遮ることは不可能。よしんば拮抗するのだとしてもそれなりの神性を宿していなければ土俵に上がることすら出来ない。

 またこの能力による恩恵を自身も受けられる。雷を招来したのならその轟雷は身に纏い矛にも盾にもなる。雹や暴雨も同様。



 ・軍団召喚

 彼女の持つ二十四の軍団は広がる影から無数に湧き出でる。

 フルフュールの軍団はその全てが獣性を付与された黒獣の総軍である。

 普段はまず使われることはないが、此度は彼女の探し求める同胞を見つけ出す為にその全てが駆り出されている。軍団はその全てが『眼』と『耳』として機能しており、情報は召喚者たるフルフュールへ集約される。






「はる。はる、どこ?」

「なぁに?いま、いそがしいの」

「消す?焼く?齧る?潰す?千切る?なんでもいい、死ぬまえに、きめて」

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