婚約破棄って良い事? 悪い事? わかりません

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄ってよくわからないという現実

私には彼というか、恋人というか、長年お付き合いを

している人がいまして、その人とは婚約のお約束を

していたのです。


その彼とは最近、上手くいってなくて困っているのも

ありますけれど、それでも頑張っているというつもりは

ございます。


私にとって彼と婚約出来るというのは嬉しい事だし、

婚約出来なくなると困るというのもあるから、何と

してでもどうにかしたいという気持ちはございます。


そんなある日、彼いや水無瀬鈴雄から私のスマホに

ご連絡が来てとある公園まで来て欲しいと言われます。


時刻は夜21時を回っていて遅いお時間で女性が一人で

出歩くのは良くありませんが、しょうがないので

とある公園へ向かう事に致します。


しばらく歩いていると、とある公園に到着して

鈴雄を発見して早歩きで近づくと私は

「鈴雄、お待たせしました」


「来たか、真奈美」


「鈴雄、呼び出しておいて何なの?」


「単刀直入に言わせてもらうぞ」


「は、はい」


私はドキドキワクワクしながら、鈴雄が何か言おうとしているのを

待っています。


「婚約破棄したい」


「えっ? えっ? えっ?」


私にはよくわからないのと反応に困っているという………………。


「今何て言ったの?」


「婚約破棄させてくれ」


「婚約破棄という事は私の婚約はなしなの?」


「そういう事になるよな」


「そんなっ、ひどいじゃないの」


「そう言われてもな、諦めてくれ」


「鈴雄の事が大好きなのに別れる事なんて出来ません」


「あのなぁ、婚約破棄させてくれよな」


「嫌だったら嫌です」


「困ったな」


「困っているのはこっちです」


「婚約破棄をさせてくれないとまじで困るんだよ」


「どうしてよ」


「どうしてって言われてもな」


鈴雄は何かを隠しているとしか思えないし、どういった事を

隠しているのかを吐かせる必要がありそうね。


直接聞いても吐いてくれるとは思えないし、どういう風に

吐かせるのがいいのかなって考えています。


頭の中でじっくりと考えてても思い浮かばないので

考える事を諦める事に致します。


「鈴雄、あそこに鈴雄を好みの女性がいるよ」


「えっ? まじかよ、何処だ」


「ひっかかるなんて馬鹿ね」


「がーん」


「鈴雄、好きな人がいるんでしょう」


「どうしてわかるんだよ」


「今の反応でわかってるし、もう隠さないでいいよ」


「真奈美の言う通りに大好きな女性がいる」


「その人と一緒になりたいのね?」


「ああっ、そうだな」


「はぁっ、しょうがないわね、婚約破棄しましょうか」


「そうか、認めてくれるんだな」


「はい」


「俺は行くからな、じゃあな」


「お元気でさようなら」


私と鈴雄の恋愛はここで終了します。


終了したおかげで私もせいせいしているというか、スッキリしているというか、

嬉しいかなって思います。


婚約破棄されて嬉しいっておかしいかもしれないけど、それでも嬉しいのは事実。


大好きな人ではありましたが、上手くいけなかったから婚約破棄されても

しょうがないのかなって感じます。


どっちにしても婚約破棄を認めたので仕方ありません。


恋愛というのは所詮、そんなものじゃないのかなって感じます。


次に恋愛する時は結婚して幸せになります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

婚約破棄って良い事? 悪い事? わかりません 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ