転移の準備
2人はレトロ喫茶の『アラン・ポー』で夕食を済ませ、一度事務所に戻った。
「レノフィ。いけそうかい?」
「はい。いけます。いつでも大丈夫です!」
2人は見つめ合って頷いたあとテレビの電源をつける。すると魔法陣が浮かび上がり、女神が現れた。
「お2人とも。もう大丈夫なのですか?」
「ああ。大丈夫だよ」
アズサは緊張気味で頷く。
「決断力は高いようですね……。とりあえず転移の前にこれを渡します」
渡されたのはアズサには手錠、警棒、虫眼鏡、無線機だった。一方のレノフィには手錠とリボルバー式拳銃、無線機を受け取った
「これはなんですか?」
レノフィは道具のことを聞く。
「異世界に行くため特殊な道具を渡しました。道具の説明は使用する時に脳内が流れますので」
至って見た目は普通の道具だ。とりあえず受け取った道具はジャケットの内側にベルトを巻いて、見えないように装着をした。
「あ、そう言えば……女神さまの名前は?」
アズサはあの時のパニックがあったせいで、名前が聞くのを忘れていたため確認をしてみる。
「これは失礼しました。私の名は女神ノスラミアです。世界を管理する者と呼ばれてます」
この話を聞くとあらゆる世界を管理しており、調和をもたらしてるイメージがある。しかしなぜその女神は自身の力で解決させないのだろうか?
ただクライアントである以上は聞かない方がいいかもしれない。それは生活だけでなく、行方不明者を見つけつためにも、口を閉じたままにした。
「とりあえず2人にルールをお伝えします」
「え?ルールですか?」
ルール……一体なんだろうか。
「お2人は別の世界からやってきたことは伝えないでください」
「もしかして人探しの支障が出るからか?」
「はい。適当にお答えして誤魔化してください」
確かに支障が出るのもありえるが、別世界に来たと言ったとしても信じられない人もいるだろう。
「そして。
「“コード”……わかりました」
レノフィはそれを聞いて頷いた。
「ちなみに死亡や何かしらの理由で居なかった場合はどうなる?」
「そうですねぇ。その場合はそのまま帰還という形でいいですが……例外になった場合は帰れないです」
手を顎に当てて例外を考えた。間違いなく問題起きた時だと思われる。
さすがに変なことを起きないことを信じたかった。
「そして事件が起きた場合は解決をさせていただきます」
「それはなんでだい?」
どうして事件の解決が必要なんだろうか?
「
なるほど……。神様なりの法律があるなら仕方ないことだと思う。ただその法律が気になるがこれ以上は聞くわけにはいかなかった。
もし逆鱗を触れたらまずい……
「以上がルールになります」
「この3つを守らないといけないのですか?」
「そうですね。レノフィさん。最低でも解決するまでは帰れないと思ってください」
事件が起きなければ至って普通の捜索に過ぎないか……
「とりあえずわかった。そろそろ転送してくれ」
「あら。せっかちなんですね。でもその行動力は嫌いではありません」
ノスラミアはテレビを魔法陣を浮かばせると次元の扉のようなものが開いた。
本当に現実なのか信じられなかったが渡された道具の重さと風圧を感じるので現実を受け止めるしかなかった
「行きましょう!アズサさん!」
「いいよ。それにアズサでいいから」
さん付けは照れくさかったのでそう伝える。
「はい!」
すると元気よく返してくれた。
「ではいきましょう!いなくなった人のために!」
女神がそう言うと光が2人を包むように意識が遠のいた……
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プロローグはここで終わりです!
次から本番になりますのでお楽しみください。
女神様のルールのまとめ
〇異世界から来たことを伝えていけない。
〇事件が起きた場合は謎を強制に解く。
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