第2話人間になる方法

絶対に嫌。

まだ15なのに。


あたしは逃げる事を思いついた。


岩場の洞窟に魔女が住んでいる。


人間は怖いけどアスカ王子に会いたい。


あたしは家をこっそり抜け出し魔女の元へ行った。


「おやおや。わしに何か用かい?」


魔女はあたしを見て言った。


「人間にして欲しいのです。」


「おやおや、人間に?ユニコーンが人間になれるわけないだろう?」


少しの間沈黙が流れた。


「まぁないこともないが、、、。」


「ほ、本当ですか?」


「ユニコーンの羽を3枚ばかり貰えればな。」


羽、、、?


「ただし、本当に人間になれる訳ではないよ?影を人間にするんだよ。」


「影、、、?」


「やるかい?」


あたしは強くうなづいた。





「さぁ、羽をおくれ。」


あたしはバサバサ羽をはためかせ、3枚の羽を渡す。


ユニコーンの羽は貴重だ。

何故なら命そのものだから。

羽を渡せば寿命が縮む。


飛ぶだけなら羽は落ちない。


念を込めて落とす。


「あまりいい血筋ではないようだねぇ。まーこれでもいいか。」


命をかけてアスカ王子に逢いに行く。


アスカ王子の優しいキスがあたしを人間界に駆り立てる。


「影を見せてごらん?」


あたしは言われた通り影を見せる。


「この種を振りかけると、、、」


え、、、?


影がみるみるうちに人間の形になり、ユニコーンだったあたしは人間になった。


「羽3枚で種3つと交換だ。ひとつは使ってしまったから、あとふたつあげよう。戻りたいと思ったら影に振りかければいい。」


「あの、、、?人間界に行くにはユニコーンじゃないと行けないのでは、、、?」


「そうだったねぇ。種を使うんだね。」


「え。じゃ、意味なくひとつ無駄にしたってこと?そんな、、、。」


「この世に無駄なものなんてないさね。とりあえずやり方教えないといけないからねぇ。」


あたしは少し不安になった。





種はあと二つ。


ユニコーンに戻る為に一つ使う。

人間になる為に一つ使う。


つまりあたしは人間界に行ったらこっちには戻ることができない。


アスカ王子、、、。


頼りはアスカ王子だけ。


あたしは種を使いユニコーンの姿に戻る。


「さよなら、、、。お父さん、お母さん。」


不安だけど、人間は怖いけど、、、。


あたしは人間界に向かい翼を広げた。




「よし!早く種を使い人間になろう。」


人間界に着き、自分の影に種をまく。


「この辺りだったな。」


アスカ王子と出会った場所に着き丸太に座る。


よくよく考えてみたけど、この後どうすればいいの?


アスカ王子が来なかったらあたしはどうなるの?


もう種もない。


そんなこんな3時間くらい経過してしまった。


アスカ王子も来る気配はない。


「お腹空いた。音なり草食べてくれば良かった。」


音なり草とはユニコーンが食べる草だ。


この先どうしよう。


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