第14話 宮上想史
まず整理をする。
帝国側のノバは大国の方にも助力していた。
大国と帝国の争いの種はこのノバが蒔いたと考えてよいのだろう。
二つの国を争わせてなにがしたいのか?
アンを連れ去ってなにがしたいの?
ネリの手にした剣はいったいなんなのか?
ノバは何が目的なのか。
全ての謎は魔道士ノバが握っていた。
ネリは苦しんでいた。
自分の中にいる伝説の邪龍の力にどうすることもできずにいた。
体が軋むように痛んだ。
たすけて……たすけて!!!!!!
いままで経験したことの無い苦しみだった。
力が体に馴染むまでの辛抱だ
苦しいよ!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
今更だだをこねるな!乗り越えるしかお前にはないのだ。
あ……あ
視界がグルグルとまわった。
空と、雲と、地面と、森と、青と白と黒と緑がぐるぐるとマーブル模様になって溶けていく。
落下しながら嘔吐していた。
胃の中あった、豚のムシャムシャ焼きが胃液と混ざって顔に当たる。
豚肉の溶けたものと、スパイスの香りとゲロの臭いがした。
ネリは森の中に落ちていった。
気がつくといつのまにか痛みは消えていた。
ここは?
まわりを見渡すとみたこともない樹木が生えていた。
ねじくれた葉のなに木、背の高い大きな実のなっている巨木、うねうねと動く巨大な花、
その花は飛んでいた虫をパクリと飲み込んだ。
下に生えている草は紫色だった。
飛んでいる虫は、小さい体ながらも、強力そうな顎と長く伸びた胴、細かく動く羽、硬そうな体表をしていた。
木のうろのあたりにも、いもいもと巨大な芋虫のようなものがいた。目玉のようなものが無数についている。
おしっこがしたくなった。
木の根元にしよう。
大変なことに気がついた。
ちんちんがない。
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