第12話 宮上想史

(この箱なんなんだ?)


ネリは一息いれるのに瓦礫に腰掛けて、さきほど見つけた箱をながめていた。

耳をそばだてて、箱を振った。

中になにか入ってるな……


箱を開けようとするが開きそうな様子はなかった。

「んんんんん~!!!!!!」

ネリは箱を石に打ちつけはじめた。

パカと開いた。

「あ、開いた」

なかには短い剣が入っていた。

なんの変哲もなさそうな短剣だったが、柄と刃の境目あたりに、宝石のような朱い石があった。

「なんだ……ただのケ」

その時、朱い石の底から黒い闇のようなものが、瞳の形になる。

眸が合う。

(うあ……)

なんだこれ

何時間前に見たドラゴンの瞳に似ていた。




一人の男が瓦礫の影から現れた。

「小僧、その箱を渡してもらおう」

ネリは振り向いて、いきなり現れた男を凝視する。

大国の兵装をしている。

生き残りのようだ。

ネリは立ち上がりあとじさる。

「ち、ちかよるな!」

「さっさと渡せ!」


男は剣を引き抜く。

「早くしろ」


ネリは箱の剣を見た。

(なんだんだこの剣……)

また眸が合った。

なんだろう……目が離せない……

いつのまにか剣を手にとっていた。

(あ……なんで僕はこんな不気味な物を手にとったんだ?)

「小僧!さっさと渡せといっているだろ!その剣を持つんじゃない!」

ネリは目の前の男を見た。

あれ?

喉を刺し貫かれていた。

「ゴホッ!!」


ネリの口からだらだらと温かいものが流れ出る。

その温かいものが剣の石についた。



闇の中にいた。


まわりになにもなかった。





朱いドラゴンが目の前にいた。

ネリは、尻餅をつく。

なんなんだよ……

なんでドラゴンがいるんだよ


人間よ死か契約か選べ


え?



もう一度問う、死か契約か



ああ、そういえばさっき死んだのか僕



「死にたくない」


契約だな?



汝、我が煌々たる猛り、と一つになり、契約の誓いをせよ


胸が苦しくなった。

「うがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ネリの心臓が脈をうちながら飛び出してきた。


ドラゴンの口から、ドラゴンの心臓が


二つの心臓は行き交い、交換された。












ここまで書きましたが、過疎ってきたので再募集をかけようと思います。

新しい自主企画を立てるので、最新話を書く方は新しい自主企画の方にあげてください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る