第81話 姉の正体

「クックック! 妹の命はないぞ! 抵抗をやめて、素直に負けを認めろ!」

 邪な少女クリアは姉の真理亜の妹の楓を人質にとり、姉たちの降伏を要求する。

「お姉ちゃん! 助けて!」

「楓! 待ってなさい! 今すぐお姉ちゃんが助けてあげるからね!」

 素晴らしき姉妹愛。妹は姉に助けを求め、姉は妹を心配し全力で助けることを誓う。

「おっと、動くな。動いたら妹の命はないぞ。クックック。」

「卑怯者!」

「卑怯? 悪役の私には最高の誉め言葉だよ。クックックー!」

 優勢な邪な少女は笑いが止まらない。

「マッマッマ!」

 突然、姉が笑い始めた。

「何がおかしい!? あ!? そうか!? 妹を人質に取られて頭がおかしくなったんだろう! クックック!」

 馬鹿をバカにして笑う邪な少女。

「クリアちゃん! あなたは大きな計算ミスをしたわね!」

「何!?」

「私のお友達と、大切な妹に手を出してしまったのよ!」

 姉の怒りの源は、自分のお友達と家族が傷つけられることだった。

「クックック! そんなことか! 私は邪な少女だぞ! お友達だろうが、家族だろうが邪に扱うのは当たり前だろうが! 邪な少女としては普通だ!」

 邪な少女は姉に苦情を言う。

「却下! そんなことはどうでもいい! あなたの意見は却下よ! 大切なことは、あなたが私を怒らせたということよ!」

 姉の全身からサイキック・オーラが溢れ出してくる。

「なんだ!? この真理亜ちゃんからあふれ出るオーラは!?」

 異常な量のオーラが放出される。

「ある時はおバカキャラ! またある時は友達大好きキャラ! その正体は・・・・・・天照大神の生まれ変わりでした! アハッ!」

 いけていない姉の正体は、天照大神の生まれ変わりだった。

「はあ!?」

「ふざけるな!」

「納得できるか!」

「冗談は顔だけにして!」

 もちろん、その場にいる者たちは理解もできないし、納得もできなかった。

「本当だからしょうがないでしょ!? ウッキー!?」

 分かってくれないお友達たちにキレる姉。

「あの妹さん、あなたの姉は天照大神の生まれ変わりなの?」

 邪な少女は人質の妹に尋ねてみた。

「本当です。我が家の苗字の大神は、天照大神を秘密兵器として扱うために最初かあ設定されていました。」

「本当だったのか!?」

 驚いたのは最初からの伏線の設定ではなく、妹の説明を聞いて納得できる周囲の〇〇少女たちだった。

「こらー!? 私の説明で納得しなさいよ!?」

 姉は猿の様にプンプンでカンカンである。

 つづく。

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