第80話 動き出す邪悪

「邪な少女! クリア!」

 現れたのは敵チームの大将クリアであった。

「情けないな、カリア。誘われて遊びで観戦に来たつもりだったが、まさか悪い少女のおまえが、良い少女になってしまうとはな。」

 邪な少女のクリアは悪い少女カリアの友達で態度も話し方も、いじめやパワハラ、セクハラをしそうな横暴だった。

「・・・・・・。」

 立場が邪な少女の方が上だったのか、良い少女は何も言い返せない。

「あいつ!? 只者じゃないぞ!?」

「悪い少女の悪のオーラなんかとは比べ物にならない強大な邪悪なオーラだ!?」

「いいねが押せない!? ダメね!? ヤバイね!?」

 魔法少女アリアやコンビニオーナー少女のウリア、いいね少女のエリアは邪な少女から醸し出される負のオーラに警戒心を強める。

「いいだろう。私一人でも、おまえたち全員に邪な哲学を叩きこんでやろう。」

 一歩一歩邪な少女が〇〇少女たちに迫る。

「お黙り!」

「真理亜ちゃん!?」

 暗い雰囲気が漂う中、夢と希望と余計なことを考えないで前に進んで行くおバカキャラの姉の真理亜が口を開く。

「クリアちゃん! あなたがどんなに邪な少女でも、私はあなたを友達にしてみせる! 友達100人作るんだ! アハッ!」

 これが姉のポリシーである。

「はあ!? おまえバカか!? 私は敵だぞ!? なにが友達100人作るんだだよー!?」

 邪な少女に姉の思考回路は理解できなかった。

「私はバカではありません。おバカです! アハッ!」

「そんなに堂々と言うな!」

「やったー! 褒められた! アハッ!」

「誰も褒めてない!?」

 完全に姉に振り回される邪少女。

「なんなんだ!? こいつは!? 本当にバカの中のバカなのか!?」

「キング、オブ、バカです! アハッ!」

 キング・バカ少女の姉。

「まさか!? 実はお芝居でバカなフリをしているだけの計算高い少女なのでは!? なんて恐ろしい少女なんだ!? 危ないところだった!? もう少しで騙されるところだった!?」

 邪な少女もバカだった。

「バレたか。アハッ!」

「やっぱり賢いのにバカのフリをしていたんだな!? 純粋な私を騙すなんて、なんて邪な少女なんだ!?」

「それはあなたです。」

 話のオチである。

「どうもすいません。うちの姉がおバカなもので。」

「なんだい? お嬢ちゃん?」

「私は妹の楓です。おバカな姉の代わりに謝ります。ごめんなさい。」

「なんてできた妹さんなんだ!?」

 その時、キランっと邪な少女は邪なことを考えついた。

「キャアアアアアアー!? 助けて! お姉ちゃん!」

「楓!?」

 邪な少女は姉の妹を人質に取ったのであった。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る