第52話 動画が削除されて力が出ない

「いくぞ! サイキック少女! これが私が編み出した、いいね百裂拳だ! あたたたたったたたたたたたたたったたたたたたたったたたたたったー! アター!」

 いいね少女のエリアの怒涛の攻撃が始まる。

「そんなもの私のタイキック・バリアの前では、どんな攻撃も無意味よ。」

 姉の真理亜は、目には見えない超能力の壁を作り上げる。

「クソ・・・・・・動画が削除されて力が出ない・・・・・・バタッ。」

 いいね少女の弱点は動画が削除されると力が出ないことであった。

「勝負あったわね。」

 と言いつつも、更に力を溜めて足を上げる姉。

「私のモットは、やれる時に、とことんやる! 例え相手が弱っていようが、蟻んこだろうが、全力で踏みつぶすまでよ! 必殺! タイキック・スタンピング!」

 超能力を宿した足の裏で倒れているエリアを踏みまくる。

「あたたたたったたたたたたたたたったたたたたたたったたたたたたたったー! ミンチになれー! いいね少女!」

 最強のタイキックの必殺技がいいね少女に炸裂した。

「そこまで!」

 勝負があったと母のひばりが止めに入る。

「さすが私の娘。いいね少女ごときに負ける訳がないわね。アハッ!」

「当たり前よ。だって私はお母さんの娘だもん。アハッ!」

 この母と娘は似た者親子である。

「それにしても見事にミンチになったわね。内臓が出ている。」

「あ! 見て! 見て! まだ動いているわ! 生きがいいわね! このミンチ!」

 お見苦しいので映像はお見せできません。

「このままでは私のカワイイ娘が殺人犯になってしまう!?」

「ええー!? 私は刑務所に入るの!? 嫌よ!? そんなの嫌!?」

「時間を戻しましょう。」

「ええー!? そんなことができるの!? お母さん!?」

「余裕です。サイキック・タイム・バック。」

 あっさりと時間が戻り、エリアがバタっと力尽きて倒れる所に戻る。内臓もエリアの体の中に入っていった。

「超能力も力を使いすぎると大変な事件になってしまう。今後は気をつけるのよ、真理亜。」

「はい。」

 何事もなく平和な毎日の平凡な生活に戻った。

 つづく。

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