第22話 魔法少女、現れる。

「私の名前は、大隣アリア! あなたのお隣さんだ!」

 お隣さんの女の子は自分の名前を手に入れて、堂々と名前を名乗ることが出来た。

「お隣さんですって!?」

 得体の知れないお隣さんに緊張が走る姉の真理亜。

「そうだ。そして私は、魔法少女だ。」

 お隣さんの正体は、なんと魔法少女だった。

「なんですと!? 魔法少女!?」

 あれだけ探しても見つからなかった魔法少女が自宅の隣に住んでいたのだ。

「さあ! 真理亜! 私の魔法と、あなたのサイキックと勝負よ! どちらが強いか勝負しましょう!」

 お隣さんが姉に宣戦布告する。

「タイキック勝負?」

 首を傾げる姉。

「サイキック勝負よ!? お姉ちゃん!? 少しズレてるよ!?」

 それに妹がツッコムお約束の展開。

「どうして!? どうして私たちが戦わないといけないの!? 私たち友達でしょ!? アリアちゃん!?」

 戦いたくないと呼びかける心優しい姉。

「こらー!? 先に裏切ったのはおまえだろうが!?」

 怒りだすお隣さん。

「そうだっけ? アハッ!」

 笑って誤魔化す姉であった。

「アリアちゃん、何をして遊ぼうか?」

 次の課題、魔法少女が現れて、なにをする? である。

「そうね。鬼ごっこ? おままごと? かくれんぼも捨てがたいわね。う~ん?」

 真剣に姉との遊びを考えるアリア。

「はあ!? ・・・・・・ちょっと待った!」

「どうしたの? 真理亜ちゃん。」

 その時、姉が何かに気がついた。

「アリアちゃん! あなたのお父さんとお母さんは何をしているの? 兄弟はいるの? どうするの!? 生い立ちは!? 性格形成は!?」

 キャラクター名は決まったが、キャラクター設定ができていないことに姉は気づいてしまった。

「しまった!? 私は名前と真理亜ちゃんの家の隣に住んでいるというだけで、他には何も決まっていなかった!?」

 自分の現状に気づいたお隣さん。

「でも安心して、もう一つだけ決まっていることがあるわ!」

 自信満々に仁王立ちする姉。

「真理亜ちゃん!」

 救いの神を姉に重ねるお隣さん。

「アリアちゃんの次に現れるキャラクターの名前は、イリアよ!」

 決定していたのは次のキャラクターの名前だった。

「え?」

 凍りつくお隣さん。

「お姉ちゃん!? 少しズレてるよ!?」

 ツッコミ要員になりつつある妹。

 つづく。

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