第8話
金沢は、羽黒と芽内のやり取りを見ていて気が気でなかった。
羽黒の逆ギレ具合からして、芽内はただじゃ済まされない。早いうちに虐めのターゲットになるだろう。
だが、と考える。
芽内の意図が読めない。金沢を彼氏と言ってみたり、羽黒を振ったなどと言ってみたり(あのキレ具合からすると、真実を言っているのは羽黒だろう)
彼女の発言は嘘ばかりだ。
ニコニコしながら、息を吐くように嘘をつく。そこに、彼女の感情が何も感じられないのが不思議だ。
そう、何かマニュアルが有るかのように黙々とこなしているように見える。
ともかく、さっきの出来事でクラスにおける羽黒のポジションは微妙に変わった。
クラスの王様から、美人なクラスメートにちょっかいをかけ、あしらわれた残念な人、という印象に塗り変わっただろう。
もちろん、羽黒のクラスにおける影響力は依然として変わらないだろうが、少なくとも羽黒に対するクラスメートたちの印象が多少なりとも変化したことは否めないだろう。
そこまで考えて、芽内がそんな事をわざわざする理由がわからず、金沢はますます頭を抱えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます