睦月 - 弐 (2020)

(短歌)


‪前を向くぼくらの後ろで誰からも見られなかった桜が舞った‬


‪ブランコに揺られてるぼく 大人にはなれないのなら靴でも飛ばす‬


‪草臥れて飛ばされるのも良いものよ 着地するのは難しいけど‬


‪ピーマンが食べれるようになったとか そんな報告したくなかった‬


‪疲れたね 荷物を置いて笑ったら一緒に笑ったきみに会いたい‬


‪スーパーの90円の豆苗が再生しなくて仲間だねとか‬


‪君の背のライトが僕には眩しくて零れた涙の正体は何‬


桜散りつつじが枯れて藤棚が人知れず彩られてく春


‪恣意的に見えるとこだけ切り取って プラネタリウムは偽物の星‬


‪評論家気取りのぼくが呟いた カルーアミルクは温くて薄い‬


‪白壁とフローリングのワンルーム どうでもいいけど夢を見たんだ ‬

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