0
「珍しいね。あんなの連れてくるなんて」
「へぇ、割と真剣なんだ」
「無理だね。カーテル、貴方はもう戻れない。そしてあのガキも、こちらにこれない」
「……その顔は、諦めてないのか」
「じゃあ確かめろよ。私の言うことは絶対に合っているから。今日の仕事の後にでも、な」
◇
「まさか、連れていくとはな」
暗き空の下で、二人の女性は歩いていた。
「やっぱり私の言うことは当たっただろ? あのガキはこっちに来れないって」
片方がもう片方の女性に語り掛ける。話しかけられた女性は踵も返さず歩みを進めていた。
「……だがまあ」
その言葉に、さっきまで沈黙していた方の女性が立ち止まる。語り続ける女性はその歩みを止めずに言った。
「人生は長い。私の想像も、いつか外れるかもな」
僕と彼女の手は血塗られている 空飛ぶこんにゃく @catscradle
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます