第14話
14
「‥わかったわ。今日泊めてもらうわね。」
「よし、それじゃ俺は風呂に入るから。後は適当にくつろいでてくれ。」
風呂に入るために階段に向かう俺に、シスターが言ってきた。
「洗濯物は置いといて。明日の朝、私が洗濯するから。」
「え?なんでだ。一緒にやった方が、効率いいだろう。」
なぜかそんな事を言うシスターに、疑問を投げると。
「いいから!私がするから!」
「わ、わかった‥。お願いします‥。」
シスターの取りつく島もない声に大人しく従う。
急いで階段を降りて、シスターから逃げるように脱衣所に入る。
「怖い‥。なんでだ、さっきまで大人しかったのに‥。」
2番と同じように豹変したシスターにビビりながら、風呂の用意をする。
「よしタオルも準備したし、大丈夫だろう。」
服を脱ぎまとめて洗濯機に入れる為、蓋を開けると。
「っ!この匂い‥」
シスターの脱いだ服だった。
密閉された洗濯機の中に、汗をかいたシスターの服が入っていた為一気に匂いが吹き出てきた。
全く嫌な匂いがせずに、嗅いだ瞬間に心臓の動悸が止まらなくなった。
「これは、シスターの。」
シスターの下着が無造作に入っているのを見つけてしまった。
ダメだと思っても、手にとってしまう。
デカイっ、シスターのブラウスは拳が二つ入りそうな大きさだった。
呆然としてしまう、これが同い年の女の子の下着なのか、前に2番の下を見せてもらった事はあったが、触るのは初めてだ。
これはまずい、激しい鼓動が止まらない。
「ねぇー。さっきからアンタの電話鳴ってるわよ。」
はっとした。
危ない、今のは危なかった。シスターが呼んでくれなかったら、どうなっていたか。
「あ、ああ。悪いけど持って来てくれないか?」
リビングに置きっぱなしだったみたいだ。
扉を少し開けるとシスターがスマホを手渡してくれた。
「ありがとう。えっと。」
2番からだ。
「はい、もしもし。どうした?」
「ごめんなさい。今忙しかった?」
夜遅いからか、電話に出るのが少し遅れたからか、忙しいと思ったみたいだ。
「いや、大丈夫。ちょっと遅れただけだから。」
「そう?あのね、話さなきゃいけない事があるの。明日そっちに行って大丈夫?」
ドキン!2番の申し出に心臓が跳ね上がった。
「あーいや、そうだな。」
本当ならこの家には誰もいないのだ、2番にもそう言った。
「ごめんなさい。急に言われたって、困るわよね‥。」
「‥何かあったのか?」
普段の2番の様子と違うとわかった。
「‥私も知らなかった事なの‥。」
「わかった。明日だな。」
2番の悲しそうな声を聞いて、それ以外の事は後に回しになった。
「ありがとう‥!。でも安心して、そもそも何も問題なかったことだから。」
何も問題なかった事、でも俺に話さないといけない事。
「ああ、わかった。どうする、迎えに行くか?」
「大丈夫。自分で行くから待ってて。」
「わかった、待ってる。でも。」
「でも?」
「俺からも話す事がある。」
「‥わかったわ、明日ね‥。」
2番との通話を切ると。
「明日誰か来るのね。大丈夫、朝には帰るから。」
シスターが聞いていたのか、そう言ってくる。
「盗み聞きは良くないな。」
「‥ごめんなさい。」
素直に謝ってくるが、どこか悲しげだ。
「大丈夫だから、洗濯したら帰るから。」
「いやシスターにもいて欲しい。」
「え?でも。」
「きっと明日の話は君にも関係ある事だ。」
「私にも‥。」
「ごめん、先に謝っておく。明日君の事を話さないといけない人が来る。」
「‥いいえ、大丈夫。私も話さないといけない事が貴方にまだあるから‥。」
シスターもわかったのか、無言で立ち去っていった。
「‥やる事が増えたな。」
明日の為に風呂に入ろう。
シスターの事、2番の事、5番の家の事、全て繋がっているのだろう。
「はじめまして」
「初めまして。」
席についたシスターと2番が挨拶をした。
2番を家に迎えてリビングに通す。
本当はこんな空気じゃなくて、もっといい雰囲気で上がってもらいたかった。
今、この家には俺、シスター、2番、秘書さんがいて今は三人で食卓にそれぞれ机を囲むように座って、秘書さんは俺の背後に立っていた。
「まず、紹介しとくな。この人は2番で。」
「はい、知ってます。あの学校の2番の方ですよね。」
やはり知っていた、シスターは2番を。
「ええ、そうです。あなたは?」
「私はミッションスクールに通っています。」
「そう、あの学校の。」
もうすでに秘書さんの事を紹介したので自己紹介はこれで終わる。
「悪い2番、少し俺の話に付き合ってくれ、多分2番にも関係してると思う。」
「‥そう、そうなのね、貴女も5番の家に。」
「‥はい、私は5番の家の関係者です。」
シスターが2番に自分の生まれや、5番の家との関係を話し、2番も静かに聞いていた。
「‥そう、ごめんなさい‥。私ばかり聞いてしまって。」
「いいえ、私も無理に聞かせて‥。」
自分でこの状況を作っておいて二人が謝っているのを見るのがつらい、だけどこれは話さないといけない。
「この紅茶、貴方が入れてくれたの?」
「はい、お口に合いましたか?」
空気を変える為か、2番がシスターに話を振って来た。
「ええ、もちろん。ありがとう、こんなお茶が飲めるなんて思わなかったわ。」
「ありがとうございます。そう言ってくれて嬉しいです。」
「よかったわ、4番が入れたらこんな味出せないでしょ。」
なぜそこで俺の話を始める?
「はい、昨日入れてくれた時は不味くて自分で入れ直しましたから。」
「そうでしょうね、あの人結構ガサツだから。」
「やっぱり学校でもそうなんですか?」
「やっぱり学校でもそうね。」
二人が俺の悪口で盛り上がっているが我慢だ。この状況を作ったのは俺なんだから。
「‥今度、お教えしますね‥。」
「‥はい。」
秘書さんが静かに言ってくる、これが出来る秘書ってやつか。
「聞かせてくれてありがとう。次は私の話を聞いてもらうわね。」
俺の悪口で少し緊張感が解けたのか、落ち着いて言ってきた。
「‥私も昨日知ったのだけど、実は5番の家から縁談が持ちかけられていたらしいの。」
「っ!5番の家からか?」
驚いた、2番にそんな話がきてたなんて。
「でも、私に話が来る前に家が断っていたらしいの。」
よかった、これで無理矢理アイツと2番が結ばれたていたら‥。
「‥4番様、大丈夫ですか?もう終わった話ですよ。」
「え?はい、わかってます。大丈夫です。」
秘書さんの声に我に返った、危ない少し危険なことを計画しそうになった。
「だから、元からなかった話で、それに5番は今‥。」
「‥大丈夫だ。それにアイツは次期当主から外されたのも知ってる。」
「‥知ってたのね。」
「ああ、昨日秘書さんから聞いた。」
当然と言えば当然だ、アイツは未遂でも暴力事件を起こそうとした。将来、人から信任を得る仕事をする時に学生時代の事件があったら、それだけで選ばれなくなる可能性があり、それはその先の家にとっても望むところじゃないだろう。
「‥‥。」
シスターは、2番の話や俺の発言を黙って聞いていた。
「‥最初にその話がきたのが、一年の初めらしいの。私はその頃に初めて5番にあったのに。」
その頃にはもうシスターが側室として5番の家に招かれていた時期だな。あいつが2番との縁談を言い出したのかどうかわからないが。
「それからも何度か持ちかけられたらしいけど、全て親が断ったみたいで。」
「‥‥。」
ふざけた話だ。その頃に側室がいるって事は正妻に当たる人物もいたのだろう。そんな中に2番にも手を出そうとしていたのか。
「もう終わった話だけど、事件があった時にほんの少し前に持ちかけはやめるように親が言ったそうなの。」
5番があの時、奪ったって言ったのはそのせいか。
正式な断りと、2番の学術都市への進学、そして俺が学術都市へ行くとわかった。
5番にとっては、俺は2番を奪った相手だと思ったのか。
「‥よかった。」
心の底から出た言葉だった。
「ごめんなさい、だから何って?話だけど貴方には話しておきたかったの。」
「いや、大丈夫。話してくれてよかった。」
本当によかった、何もなくてそれに全て話してくれて嬉しかった。
「ごめんな、また謝らせて。でも次は笑わせてみせるから。」
「うん、期待して待ってるから。」
綺麗だ、2番が笑顔を見せてくれた。それだけで5番への憎しみを忘れられる。
「‥すみません、そろそろ帰って来てもらえますか。」
「いつもこう何ですか?」
「私も見るのは初めてですけど、よくこれで4ヶ月近く秘密に出来ましたね。」
「4ヶ月?そんなに秘密にしてたんですか?」
「らしいですよ。こういう所はまだまだですね。」
二人が何か話始めたので、2番との会話を打ち切る。
「‥秘書さん、お願いした教会の件どうでした?」
どうにかそれた会話を戻すために秘書さんを頼る。
「はい、シスター様も教会について調べて所、いくらかわかった事があります。」
「え?」
シスターは、急にそんな事を聞いて驚いたようだった。
「まず、確かに5番宅から教会に出資をしていたようですが、それは今年の2月で打ち切られています。よって教会の運営権は前責任者の方に戻っています。」
「嘘‥。聞いてない‥。」
「そして、教会へ連絡した所。それで間違いないとの事です。」
「‥‥。」
あまりにも驚きが大きかったのか、呆然としている。
「なら‥私は‥。」
今はそれ以上何も言えないのかシスターは声を出せない。
「‥続けます。」
秘書さんは淡々と続ける。
「当時の前運営者の方がシスター様を無理矢理5番宅へ連れて行かれたように感じらしく、出資を断ろうとしていたそうです。」
「‥‥でも、それじゃ。」
前にシスターは何不自由なく生活できていたと言っていたが、決して楽な生活ではなかったのだろう。
シスターが泣きそうな声で言っている。
「しかし、5番宅からの出資を断るために海外NPOへの補助金を申請した所、当教会が児童養護施設を全うに運営していると一年で認められたため補助金の受理を認められたそうです。」
っ!ここにいる秘書さん以外の全員が驚いた。
「前ほどの額じゃないそうですが、それでも全員生活出来る額を受け取れるそうです。」
それを聞いて力が抜けたのか、シスターは背中を丸めて祈るような格好になった。
「‥よかった、本当によかった‥。」
絞り出すような声だが、人を思っている確かな声だった。
「私が調べた所はここまでです。」
やはりか、シスターは俺に許してもらわないと出資を切ると言われたみたいだ。
「‥聞いていいか?」
「喫茶店でのことね‥。」
俺達の雰囲気を察したのか。自分から言ってくる。
「私は聞かない方がいいみたいね。」
2番がそう言って席を立つ。
「悪いな。」
「いいえ。今日は時間を取ってくれてありがとう。またね。」
「では、私もこれで。」
秘書さんも帰るようだ。
「すみません。何度も世話になって。」
「いいえ、4番様のお役に立て嬉しく思っています。」
「待って!」シスターの急な呼びかけに驚いた。
「これは貴女にも‥多分関係あるの。」
「私にも?‥わかったわ。」
シスターがそう言うと2番は再び席につき秘書さんも元の場所に戻った。
「‥それじゃあ聞くぞ。喫茶店でなんて言われたんだ。」
「‥、貴方の家が示談にするのはわかってたって、そして示談になっても裁判で5番が裁かれるのも知ってたって。」
「だけど、俺から許して貰わないと学費は無くすって言われた。」
「‥そう。」
さらに加えると教会へのありもしない出資を切るとも言われたか。
本来は俺がいいといえば、そのまま学費は払われる、だが。
「‥だから、私どうすればいいかって。聞いたの。そうしたら、貴方を‥その。」
言いにくそうに2番をチラチラ見ている。どうにかして俺の弱みを掴めと言われたって所か。
「わかった、大丈夫。でも何でそう言われたんだ?俺がどれだけ言ってももう裁判の手続きは始まっているだろう。」
不思議だと思っていた。
仮に裁判を取りやめたとしてもそれでも逮捕歴は残る、結局家にとっての重荷になるだろう。
「私も貴方と2番さんの関係を5番の家から聞いたの。聞いた時は何の話かわからなかったのでもその後すぐに‥貴方と、そういう関係になれって、‥そうしたら写真で証拠を‥送れって‥。」
これを使ってうちを揺するつもりか、もしくは5番以上に家柄がある2番の家との関係を修復して2番と正式に婚約を結ぶつもりだったのか。
俺と2番の間に家同士が決めた婚約関係があると思っているのか。
どちらにしても、2番の気持ちもシスターの気持ちも考えない無様な策だ。
「‥‥ふざけてる。」
隠せない怒りが声にでる。
「‥‥。」
無言で怒りを携えた無表情の2番は恐ろしかった。
「‥秘書さん‥あの、」
「人一人を我が社で保護するのは無理な話です。それに無茶な事をすればそれがそのまま我が社の弱みになります。」
側室なんて全時代的なものを使っている家だ、今のシスターの書類上の扱いはわからないが、何かあった時のために策を練っているだろう。
だけど。
「しかし、このままにしておく事は出来ませんね。」
その後、2番はすぐに帰ってしまった、やる事が出来たらしい。
お茶の片付けをシスターがしている、何かしていると落ち着くみたいで自分からしていた。
それが終わり、シスターはリビングのドアの前に立つと。
「‥私。」
消えそう声で言ってくるが。
「もう一つ聞いていいか?」
「何‥。」
関係なく聞いてみる。
「教会に連絡はとってなかったのか。」
「‥心配をかけたくなかったの。」
シスターは教会の人を信じてなかったわけじゃない、きっと大事だった。
大事な人に心配を、迷惑をかけたくなかった。
この子も戦っていたんだ。
「わかった。あの部屋使っていいから。昼は何か食べるか?」
「‥うん。ありがとう‥。お昼は大丈夫、ちょっと疲れたから寝てくるわね。」
階段を登っていく足音が聞こえる。
「さて、やるか。」
俺に出来るのは、まずシスターにベッドの提供、食事に風呂。
「悪いな、見させてもらうぞ。」
さっき片付けをする時にシスターがポケットから椅子の上に置いたのを拝借しておいた。
昨日盗み聞きされたんだ、それのお返しって事で。
「昨日から発信のみで着信なし。これが5番の家の番号なのか?」
喫茶店や昨日のキッチンのあの様子を見ると、ほとんど虐待に近い教育を休みにされていたんだろう。もうシスターを5番の家に帰すわけにはいかない。
「お見せ下さい。この番号は事件の時に渡された番号ではないですね。」
個人番号ではなく会社や法人の番号なのだが、もしかしたら今は個人で使っている番号かもしれない。
横から秘書さんが覗いてくる。
「まだかけない方がいいでしょうね。」
冷静に言ってくるが、やはりどうしても気になる。
「相手はどんな人でしたか?」
「‥いえ、わかりません。」
あの時はシスターが謝り続けていたから、声も聞こえなかった。
今は聞けばよかった思ってしまうが、そんな事聞ける状況でもなかった。
「そうですか。」
秘書さんは自分のスマホにこの番号をメモしているようだ。
俺も2番にこの番号の事を送っておく。
「この件はあの事件の延長線上にあるかもしれませんが。」
「わかってます。騒ぎ立てるようなの事しませんし、出来ません。」
寧ろ、直接5番の家が俺に対してわかりやすく攻撃的な行動をおこすなら話は簡単だったが、これは会社への攻撃と2番の家との縁談を目的にしたものだった。
望むべくは両方だがどちらか一方でも構わないというもの、直接的には部外者であるシスターを使い、もしシスターが失敗しても我関せずを通すつもりに違いない。
もしかしたら、この番号はもう使ってないかもしれないが、その可能性はまだ低い。
このスマホには、喫茶店での発信履歴だけで最近のメール履歴もない。
まだ、5番の家は俺たちが気づいたとわかっていないだろう。
「‥5番の家の次期当主ってどんな人ですか?」
「元は分家の生まれですが、まだ中学生にもなっていないそうです。」
ならシスターに命令したのは、シスターに教育をした人だろうな。
「‥秘書さん。喫茶店で電話が来た時と、昨日のキッチンでシスターはパニック状態になっていました。」
喫茶店の時はシスターが「出来ないと」言って何かしらの返事をされた時、キッチンでは俺に会いに来た理由を話す時。
「シスターは教育と言って5番の身の周りの世話の仕方を教えられていたらしいです。その時に命令に反抗、もしくは命令を完遂出来ない時に虐待に近い事をされていたみたいです。」
秘書さんの目が細くなった。
「虐待、間違いないですか。」
秘書さんが真剣の目で言ってくる、当然だもし間違えてその事を5番の家に伝えたらそれこそ俺への弱みになる。
「はい。でもシスターに直接確認しないと。」
「そうですね。」
証拠はないけど確証はある、あのシスターの狼狽方はまともじゃない。
「だから、この番号の相手は恐らくシスターの教育係。」
「なるほど、調べてみますか。少々お待ちください。」
秘書さんはノートパソコンを取り出し、どこかへ電話を始めた。
その姿を見ると、この人になら任せてられると万人が思うほど頼もしかった。
「わかりました。はい、ありがとうございます。」
約30分程で通話をやめた。
「どうでしたか?」
「はい、少し前に5番の家で働いていた方に連絡をしました。教育係であろう人物が去年の冬に5番以外の女の子を連れているのを見たそうです。」
十中八九シスターだ。
「50歳程の女性が教育係の筈だそうです。」
「筈?」
妙な言い方だまるで確証がないみたいな。
「ただの教育係とは言えない程に他の使用人に対して強い口調で怒鳴りしかも周りの使用人も何も言わなかったそうです。しかし次期当主やご当主に対しては違ったようですね。」
側室を探して5番好みに教育する、大奥と言えなくもないが実際の大奥とはまるで違う、少なくとも本来の大奥は場合によっては将軍に対しても強い拒否権を行使していたらしい。
「わかったのはそこまでです。目に見えて虐待等はしていなかったらしいですね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます