第2話 咲からの告白

話は戻るが咲から告白されたのは高校2年生になってクラス替えで同じクラスになってからのことだ。僕らは学校ではあまり話さないが、よくラインでやり取りしている。ある日咲から

(アイドルのライブ見に行こう)

とラインが来た。アイドルには興味が無かったが、咲と一緒であればと思い、快く

(良きかな)

と返信した。

(変な返事)

と返信が来て、ど田舎岩手に滅多に来ることのないアイドルのライブにいくことになった

ライブ当日、会場の前で待ち合わせをして光る棒とかを買って中に入った。私服の咲はいつもの10倍マシで可愛かった。こう見えてEDMばかり聴いている僕が、よく分からないアイドルの曲を聴くのはつまらなかったが、咲と隣で密着している時間はあっという間に過ぎた。

帰り際、解散するときに

(私、アイドルになりたい、そして浩太が好き)

僕は咲が言った言葉の端から端まで何一つ耳に入ってこなかった




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