第25話
そもそも、どうして自分はこんなにぼろぼろになってしまったのか?
それは、僕の勘違いが原因だった。
クマ人間がただのネットで都市伝説として話題になるレベルだった頃とは打って変わって、今では全国的に周知の存在となってしまった。
幸い自分が変身者だとはバレていないようだが、それでも活動を減らすことはできなかった。
「西公園の知覚に割るものです」
などとナビに言われたら自分はさっそうと駆けつけた。
さらに活動量を増やすために、ジャンルや範囲を広げてもらった。
「だめです。それ以上は体に障ります」
というナビを必死の説得で突破してしまった。
今では許可してしまったナビに負担を掛ける結果となったことを悔いている。
が、勘違いはここからだ。
変身はあくまでも自分の体が素体となっているということだ。
どれだけ、超人的な力を手にしても使っているのは自分の体ということに変わりはない。
つまり、酷使すればどれだけ普段よりも回復スピードが早いとは言えジリ貧となる。
「わかった」
とか、
「了解」
とか、言っていた返事も面倒になってしまうほど疲労が溜まっていく。
そして、今限界に到達し一ミリも体を動かせない。
ナビがラ・マさんに連絡をとってくれて居なければ自分がどうなっていたか想像もつかない。
そのため、今はラ・マさんの謎の店で療養中。
世間的にはどこそこの病院に入院中でナビも付き添っているため二人は当分学校へ来ないとなっているらしい。
ラ・マさんにも散々怒られた。
「せっかくの正義感がだいなしだ」
とか、
「これが正義感が強いってやつか」
とか、自分でも自分がわからないから、ラ・マさんの言っていることもわからなかった。
だが、ロ・マさんはこれを見越していたらしかった。
そのうえ、
「早く準備をするんだ。弟よ」
と言っているのが聞こえたが、これも自分にはわからなかった。
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