第19話 SS 安達と斉藤

俺の作った夕飯の後、何となくテレビを付けたら、プロ野球のクライマックスシリーズがやっていた。


ヤベ、思い出すかな?

出来るだけ斉藤が思い出さないように、野球の話は避けていた。

他の番組に変えようとリモコンを手に取る。


「…安達はもう野球やんねーの?」

「…あ?あぁ…」

気付いてなかったのか?それとも俺が話すの待ってたのか?どちらにせよ、斉藤の表情は読み取れない。

「俺、肘やっちゃったんだよ。肩から上に左腕が上がんねーの」

外野手が、ボールを掴む腕が上がらないのは致命的だ。ぐるぐると腕を回して見せるも向ける笑顔は虚しく空廻る。


「…安達が野球やってる姿、見たかったな」

ポツリと呟いた言葉に嬉しくなる。


こういうところが本当に可愛い。

頭をクシャクシャと撫でると手を払いのけられる。そんな反応も可愛い。


斉藤に嵌って抜け出せそうにない俺はそろそろ重症かも知れない。






(モデルキャラわかっちゃいましたね。改悪すみません)

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