第3話 坂月ミツキの信念
彼女には何やら己の内に確固たる信念があるらしい。
俺?
俺にはないよ。
適当にフラフラ生きてるだけだし。
だからこそ、余計に目に入っちゃうんだよなぁ。
「仲間、見捨てて自分だけ逃げようだなんて、テメェ。それでもタマついてんのか! あ!? 潰してやろーか?」
やめたげてぇ!
それ大事な部分!?
ミツキちゃん、さすがにそれは非道よ!? ひどいよ!?
大暴れしそうな彼女を羽交い絞めにして、ぶつかってきた悪漢に「今の内に逃げろぉ! できるだけ遠くにな!」とアイコンタクト。
大勢でつるんできたはいいけど、皆俺の彼女の恐ろしさを目にした途端逃げちゃったんだよな。
で、目の前にいたのが逃げ遅れ。
逃げていった最後の一人を見送ってため息。
けど俺の彼女は、「止めんじゃねぇよ。ああいうのムナクソ悪くなんだよ」とお冠。
女の子がクソとかいっちゃいけません。
男でもどうかと思うけど。
あー、こういう時は魔法の一言の出番だな。
「俺は俺の彼女に人をなぐって欲しくないんだよ。そんな野郎をなぐるためにミツキの拳が傷がついたら嫌だし」
「ばっ、ばかっ! お前はそういう事を簡単にっ。ふんっ。それなら仕方ねぇな」
ポッと頬をそめる彼女。
そういうとこは普通にかわいい。
うん。
これで分かった人は多いと思うけど。
俺の彼女ツンデレさんなんだ。
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