小説の皮を被った雑記

イ重カレナ

インポンフェンサーのはなしをします

この記事は『TRPGソード・ワールド なんでもAdventCalendar2019』

への寄稿記事です。

https://adventar.org/calendars/4450

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Era of Daemonの更新だと思った?

残念!寄稿という名の自分語りでした!!!1




はい。インポンフェンサーの話します。






【0.インスタントウェポンについて】

レベル1から習得可能な賦術のひとつ。

白のマテリアルカード(装備品や芸術品等、知的活動、精神活動によって作り出された物品を材料に精製される)を使って、手元に任意の武器を作り出すという、男の子の心にグッとくる要素を持っている技である。


そんな超絶イケメン性能の本賦術(以下インポン)であるが。

正直な所、使用者はかなり少ないのが現実だ。

恐らくだいたいの冒険者が『別に普通に武器用意すればよくない??』と感じ、

そして実際インポンを使用することなく戦っているのだろう。


私もぶっちゃけそう思う。というか思った。

威力20(頑張ってSカードを使っても30)程度ならわざわざこの賦術を使わなくても

簡単に用意出来る。なんならBランク武器でも届く数字だ。


でもせっかくデータとして用意されてるんだし、何よりなんかおしゃれだから

使ってみたいじゃん(最重要事項)。

ということで実際にインポンをメイン武器に用いるPCを使った所感を

ざっくりと述べていこうとおもいます。

インポンを使ってみたいという方、使う気は無いけどどんなもんか知りたい

という方の参考になれば幸いです。



【1.レギュレーション】

該当PCを動かした環境は下記の通り。


・フリーセッションサイト

・総経験点5000点、レベル3からのスタート

・フェンサーらしいクソザコ筋力と優れた器用敏捷を持っていた

 レプラカーンの密偵生まれを採用

・技能構成やら戦闘特技やらは下記URL参照。

 https://charasheet.vampire-blood.net/2797818

・武器習熟はもちろん取らず(何のためのインポンだよという話になってしまう

 ので)、代わりに防護やら回避やらを積んでいく。

 突然連続賦術を生やしている理由は後述。

・戦闘で使う武器はインポンAのみ。

 資金的にはSカードを使っても問題無かったが、サイトルールの関係で

 実現できなかった。やむなし。



【2-1.レベル3~4帯】(戦闘特技の個数を基準に区切ります)

つくりたての状態。割と最強クラスだった。

この時期のフェンサーが威力20の武器を持つのはなかなか難しいので、

当然と言えば当然なのだが。


筋力を補うための〈大きな手袋〉を買える程の資金力は無く、

【ジャイアントアーム】はそもそもまだ習得出来ない。

初期の筋力が高めの種族でも厳しいだろう。

武器習熟Aを取るか、威力が高い分命中やC値の低い武器種を選ぶか。

それでようやく並べる程度。それがフェンサー最序盤の威力20というもの。


それに、ファイターでも人によっては威力20以下の武器を使っているのだ。

フェンサーがそれ以上の物を持ったら当然えげつない打点を叩き出せる。

クリティカルに依存するところはまぁご愛嬌だろう。フェンサー共通の問題。


筋力に悩むこともないので、成長でひたすら器用・敏捷・たまに生命を選べるのも

それなりに大きい利点かな、と感じた。

(平準の指輪を常用する為に知力と精神を最初から捨てていたのもあるが)

筋力が伸びず、泣く泣く軽めの武器を繋ぎで購入したり、

手袋を着けたりするフェンサーが少なくないことを考えると、やはり『必要筋力1』というのはかなり大きなポイントかもしれない。


とりあえず、この帯は問題なく活躍出来ていた。

むしろここがパワースパイクだった気がしなくもない。



【2-2.レベル5~6帯】

まだ一線級だった。

武器習熟Sを取ったライバル達にも、防護点と回避力の差で勝っていた為、

決して遅れを取ってはいなかった。

問題があったとすれば、『武器の加工を行えない』というデメリットが

少しずつ目立ち始めたことか。


まず魔法の武器への加工ができず、命中力は相対的に-1。打点も-1だ。

アビス強化によるクリティカル値低下もないので、実質C7での攻撃も

実現出来ない。これが一番痛かった。

妖精武器加工も……あまり影響はなかったが、せっかく暴いた弱点を突けないのは

割ともどかしかったか。


だが、武器の加工が出来ない、というのも悪いことばかりではない。

お金に余裕が出来るので、その分他の装備品をしっかり購入出来る。

結果、消耗品をガンガン使え、防具を着込め、探索用のアイテムも買い揃えられた。


フェンサーとしては物足りなさがあるが、スカウトとしてはなかなか優秀。

そんな感じの時期だった。少なくとも弱いと感じはしなかった。



【2-3.レベル7~8帯】

この辺りからだいぶ辛くなっていった。

ライバルのフェンサー達も威力20以上の武器を持つのがデフォになり、

生存リソースも充分確保出来る様に。ファイター、グラップラーは言わずもがな。

1回転した程度では彼らのダメージに追いつけないし、そもそも彼らも

クリレイだのアビス強化だので回転させ始める頃だ。

どこまでいっても運ゲー据え置き火力のインポンでは、どうしても活躍が厳しい。


そんなこんなで、インポンの最大の弱点───成長性の無さを痛感させられる。

周りのPC逹に威力を抜かれ、C値も抜かれ、打点も当然抜かれていく。

つまり、自分は初期作の頃から火力が全く伸びていないのに対し、

周りはどんどん強くなり続けているのだ。


先に述べた通り、インポンは加工が出来ない。極端な話、レベル1の冒険者と

レベル15の冒険者が振るうインポンに差は存在しない。

カードの等級をSに上げれば多少マシになるが、威力20が30になった所でという話。

SSならば50だが、毎戦闘20000ガメルを吐き出す事が前提のビルドなど

どう頑張ってもまともに使える筈もない。キャンペーンならば金食い虫扱いされ、

フリーセッションならば一生カードに全財産を注ぎ続ける、専業ケミより苦しい

生活を送ることになるのは避けられないだろう。


仮に常にSSカードを使えるほどのインフレ環境があったとしても、

そんな環境ならそれこそカードではなく普通のSSランク武器を振ればいいし、

そっちの方がずっと強い。自ら重い枷をかける必要は無い。


要するに何が言いたいかというと。

ここがインポンフェンサーの、或いはインポン自体の『賞味期限』で、

あとはただ腐っていくしかない、という事である。



【2-4.レベル9】

完全な終わりを迎える。

全力ⅡだのインファイトⅡだのC8の首切りだのが飛び交う中、

この無乳に出来るのは威力20C9での必殺攻撃だけ。

回避力だけは一丁前だが、そもこんな脅威度の低い女を誰が狙うのか。

精々突破されないための部位数稼ぎか、1、2R保たせるための時間稼ぎか。

出来てその程度だろう。つーかその程度だった。


その他、2-3にて述べたとおり。

胸と同じく成長の余地など何処にも無く、かと言って今更武器習熟を取っても

もはや手遅れ。筋力が無さすぎて大した武器を持てない。

と言うかそれをしたらインポンキャラとして終わりだ。

特技を取る順番を変えただけのイロモノ必殺フェンサーでしかなくなってしまう。


そんな訳で、ここがインポンの限界、そしてコンセプトの限界と悟った私は、

この無乳にリビルド(サイトルールで用意されている)を施行。

インポンフェンサー改め、挑発ケミへと進化させたのだった。


……進化かこれ?どちらかと言うと『◯◯のすがた』じゃないか?



【3.完走した感想】

初期作~レベル5、6辺りまでは普通に強かった。

ただし、何度も述べた様に『成長性が一切ない』事の影響がデカ過ぎる。

単発セッションであれば気にならないだろうが、

継続使用するPCに於いては致命的な欠点となるだろう。

短命メリアもびっくりの寿命に怯えながらセッションを楽しむのは難しい。


万が一、S・SSカードを使いたい放題のハイパーインフレ環境、

かつレベルがあまり高くない(武器の達人を取れない程度の帯)レギュレーションで

遊ぶのであれば、もしかしたらパーティのエースになれるかもしれない。

でもそんな限定的過ぎるレギュ、自分で作るか土下座して頼み込むかしないと

成立しないんじゃないかな。しないよね多分。これ書いてる私ですら

『普通に高レベルレギュレーションを遊べばいいのでは……?』としか思わんし。


別なビルドでアプローチするのだとすれば、スカウトの代わりに魔法技能を生やし、必殺の代わりにマルチアクションを入れる魔法戦士型にするか。

もしくは両手利き、変幻自在も併せて取ってみるか、ぐらいだろうか。

前者は『魔法が本体』『インポンは飾り』と言われそうだし、

後者はヤケクソ人間ミサイル感が否めないが。

フェンサーではなくグラップラーならどうか、とも思ったが、

恐らく武器加工不可の点で同じ苦しみを味わうことになるだろう。

アイアンボックスすらも装備出来ない程非力なPCならば、インポンBでも

充分に恩恵を受けられるが……どの道同じ結果に至りそうだ。

固定値を盛れば多少は誤魔化せる分、こちらの方がマシ、程度か。



【4.総評】

単発セッション、かつ低レベル帯の卓に参加するのであれば、変わり種ビルドとして提出するといい感じの反応を貰えるかもしれません。

特に初期作付近(総経験点5000点らへんまでかなぁ)なら

普通の武器を使うより強い筈です。


逆に7レベル以上の卓でやるのは止めておいた方がいいでしょう。

仮にインポン取るんだとしても『もしもの事態の為に備えてる』みたいな

それっぽい理由とセットで習得するフレーバー品だと思ってください。

嗜みバードみたいなもんです。まともに使おうなどと思ってはいけない。



以上、インポンフェンサーの実運用レポートでした。

次回があったら『剣と魔法の世界の華形、魔法戦士をやってみよう』とか

『アルフレイム人族大全』とかそんな感じの物が

出来上がるんじゃないかとおもいます。よていはみてい。

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