俺は一人に選べない
Ruler
第1話 幼馴染
俺の名前は、櫻井 龍之介。
平昭高校に通う2年生だ。
今は、両親ともに海外出張中で一人暮らしをしている。
「あー眠む」
昨日遅くまで本を読んでいたから絶賛寝不足である。
あくびをしながら登校していると後ろから声をかけられた。
「おはよ」
声をかけてきたのは、幼馴染のくるみだった。
「あーおはよ」
眠そうに答えると、
「もー朝なんだからシャキッとしなよー」
呆れるようにくるみは言った。
くるみは俺の横で歩き始めた。
「夜遅くまで何してたの?」
「ちょとな本を読んでた」
「本もいいけどちゃんと寝なよー」
昔からの付き合いで、いつもくるみは俺のことを気にしてくれる。
本当にありがたい。
「ちゃんとご飯食べてる?」
くるみは母親みたいな質問してきた。
「まー食べてるよ」
するとくるみは俺の顔に自分の顔を近づけてきた。
「まさかとは、思うけどカップ麺とかじゃないよね?」
「な訳ないだろ」
カップ麺美味しよね。簡単だし、美味しいし最高。愛してる。
「怒んないから、本当のこと言ってみ?」
くるみはさらに近く顔を近づけてきた。
「はい。カップ麺がほとんどです」
俺は観念して正直に答えた。
またしてもくるみはため息をついた。
「もーカップ麺ばっか食べてると体に悪いよ」
「しょうがないだろ。めんどくさいんだよ」
一人暮らしは楽しいけど家事は面倒くさい。
「もしよかったら私が作りに行ってあげよっか?」
くるみの質問に驚いた。
「いやいいよ。くるみも大変だろ?」
「大丈夫だよ。私料理得意だし」
くるみの料理は本当に美味しいのだ。
昔食べたことがあり めちゃくちゃ美味しかった。
「でもな、変な噂立っちまうぞ?」
「噂って?」
「そりゃ俺とくるみが付き合ってるとか」
顔が少し赤くなってるのが自分でもわかる。
「そんなこと気にしてんだ」
「可愛いね龍君」
くるみはクスクス笑い始めた。
「私は全然気にしないから」
「今日から龍君の家に行くね」
「今日から?急すぎないか?」
急すぎて言葉が詰まってしまった。
「じゃあ放課後ね」
と言って教室に入っていった。
「朝から大変なことになったなぁ」
「まーくるみの料理食べれるからいっか」
少し緊張したけど、気分はとても良くなっていた。
俺は一人に選べない Ruler @Kazuki35R
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺は一人に選べないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます