あたしってどう?

ひろきち

第1話 ギャル襲来

「ねぇ あたしってどう?」

「は?」


僕こと"小山内 源"はごく普通の受験を控えた高校3年生。

ボッチとまでは言わないが友達は少なく、今は数少ない友人の"堀内 健司"と弁当を食べてるところだ。


「で、どうなの?」

「・・・・」


平和な昼休みのランチタイムなわけだが、先程からギャル風の女子に謎の『どうなの?』攻撃を受けている。

友達の少ない僕でもクラスの人の顔位はわかる。彼女は少なくてもこのクラスの人ではないし、多分初対面と思われる。

堀内に目線を送っても首を横に振ってるので多分彼も初対面。


「あの~さっきから話しかけてきてますが、多分初対面ですよね?誰かと間違えてませんか?」

「・・・あんた小山内だろ?」


と首を傾げる謎のギャル。ちょっとかわいいとか思ってしまった・・・


「ええ。小山内で間違いないですが、あなた誰ですか?」

「あ!私の事わからないんだ。結構学内では有名だと思ってたんだけど、私もまだまだだなぁ~」

「有名な方なんですか?」

「そう。私の名前は"梶 麗香"この校内No1の美少女よ」

「・・・・・・」

(自分で美少女とか言うかな・・・まぁ確かによく見ればかわいいけど)


「美少女っていうと隣のクラスの恩田さんの話題はよく聞くけどなぁ」


と堀内。

"恩田 智花"さん。僕でも名前を知っている人気者だ。

バスケ部の部長でエース。そして全国区の名プレイヤー。

それでいて成績も学内トップクラスで容姿端麗。

尚且つ性格も良いときたらまぁ人気もあるよね。

最も僕みたいな地味男くんは、お近づきになる機会とか無いしどうでもいいんだけど。


「お・ん・だだとぉ~~~~」


とギャルが恐ろしい目つきで堀内を睨みつける。


「ひぃ!!」


思わず後ずさる堀内。。。余計な事言うから。


「ごめんなさい。僕ら友達少ないんで、あまり他のクラスの女子とか知らないんですよ」

「でも、恩田の事は知ってたじゃん」

「恩田さんの彼氏の小宮と仲が良いんですよ」


そう。嘘はついてない。

恩田さんの彼氏の小宮とは家が近所だったので学校は違かったけど仲はいい。

もっともあいつはバスケ部の部長で彼女は学内でも有名な美少女の恩田さんだ。

時々"このリア充め!!"とか思ったりもするが、まぁ仲はいいはずだ。いいはずだ。いいはずだ。大事な事なので3回言いました。本当だよ。


「ふ~ん 小宮と仲が良いんだ」

「はい」

「じゃあ仕方ないから私の事おしえてやるよ。私の名前はさっきも言ったけど"梶 麗香"。クラスは3年C組だ。雑誌のモデルとかも時々やってる」

「おぉ!モデルさんなのですね」

「凄いだろ。で、どうなのよ?」

「・・・・・」


何だこの人。かわいいけど凄く残念な人に見えてきたぞ。


「ゴメンさない。意味わからないっす。何が"どうなのよ"なんですか?」

「・・・お前!女にそんな事言わすのか!」

「えっそんな内容! 何かやらしいこととか?」

「うぅ~ もういい!!」


と何やら顔を赤くして去って行ってしまった。


「何なんだあの子」

「さぁ」


とりあえず、気を取り直して堀内と昼飯を食べた。


そういえば、後からクラスの子に聞いたところ、さっきのギャルは確かに学内で美少女と呼ばれているらしい。

ただ、"残念な美少女"とお世辞にも良いイメージはない呼び名だったけど。。。。

とりあえず、僕の所見の通り残念な子ということは理解した。

でも、いったい僕に何の用事だったんだろう。

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