Why me?
床町宇梨穂
Why me?
「ねえ、どうしてあの娘じゃなくて私だったの?」
彼女は聞いた。
どうしてだろう・・・?
確かにあの時僕にはチョイスがあったかもしれない。
そして僕のチョイスは彼女だった。
「あの娘の方が若いし、足は細いし、胸だって大きいし・・・。」
私よりかわいい顔をしてるとかきれいな顔をしてると言わないところが彼女らしい。
「そうだね、確かに料理は上手だったしカラオケもうまかったし上品な娘だったね。」
「じゃあ、どうしてあの娘じゃなくて私なのよ?」
僕の言った上品という言葉が気に入らなかったのか少し言葉が乱暴になってきた。
「ねえ、暑い日が続く真夏に一日突然涼しい日があったりするのと、寒い日が続く真冬に一日暖かい日があったりするのとどっちがいい?」
「寒い日々が続くなかで一日あったかい日があったりするとうれしいわよね。」
「そう、そう言う事なんだ・・・・・・。」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「フフフ、フフフ・・・」
「何がおかしいんだよ?」
「おかしいわよ!」
僕には彼女が笑っている理由が見つからない。
「カッコつけて詩人みたいな事言わないでよ、彼女とも寝たくせに・・・。」
「・・・・・・」
「知ってたのに俺と付き合ったのか?」
「そうよ・・・。」
「どうして?」
「だって私は真夏の日陰よりも、真冬の日向の方が好きだから・・・。」
Why me? 床町宇梨穂 @tokomachiuriho
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