【139本目】バック・トゥ・ザ・フューチャーpart2(1989年・米)
パンフレットに書いてあったけど、ゼメキス監督俺たちひょうきん族で笑ったことがあるってマジか……
【感想】
1985年の【バック・トゥ・ザ・フューチャー】のラストシーンで、ドクの乗る改造デロリアンは、マーティとジェニファーを乗せて未来へと飛び去って行きました。
その4年後、(ファンからの要望で)その直後のシーンから物語が始まる続編が公開されることになりました。
【バック・トゥ・ザ・フューチャーpart2】と題されたこの映画は、タイムトラベルという設定を駆使して作品の世界観を更に広げ、【未来】のヒルバレーと、更に【異なる世界線】のヒルバレーへと舞台を広めることになりました。
未来パートのホログラフ映像や空飛ぶ車で当時最新の技術だったCGが使用されたことが評価され、アカデミー賞の視覚効果部門にノミネート(シリーズ3作では今作だけ)、英国アカデミー賞では同部門を受賞した映画でもあります。
さて上記の通り、今作と次作の【part3】は元々単発映画だった【バック・トゥ・ザ・フューチャー】の続編として作られています。
なので今作は、【バック・トゥ・ザ・フューチャー】を見た観客たちの想像にそのまま回答を与えるようなつくりになっていると言えるでしょう。
1955年は賑わっていたけど、1985年は寂れているヒルバレー。じゃあ未来のヒルバレーはどうなってるの?という回答に答えたのが、前半パートと言えます。【ジョーズ19】のCGや空飛ぶ車、ホバーボードなど楽しいガジェットが街を闊歩している半面、郊外の新興住宅スタイルは崩壊寸前で老マーティは日本人の上司にペコペコしてる……と住民自体はあんまりパッとしない生活をしている、という状況。あながち実際の2010年代のアメリカと変わっていないのがやるせない……(日本人のとこだけ実際は中国人やけど)
さらに後半のビフが権力を握った世界線の1985年は、前作のラストを見た【過去に干渉したら好きに現在の世界線を改変できるのでは?】という観客たちの想像に対して、破滅の可能性を提示しています。
元々マーティ(最も観客に近い存在)がスポーツ年鑑で金儲けしよう!と企んだことが老ビフの悪巧みにつながりましたし、その老ビフも過去の改変を達成した結果悲惨な末路を辿っていますし(脚本のボブ・ゲイルが権力を握った世界線のビフは1990年代に射殺され、その影響で2015年に戻った老ビフも消滅した、と明言)。
またラストで離れ離れになったけど全く迷わずにドクのいる時代へ行こうとするマーティには、【年齢も全く違う二人だけど、もしドクと離れ離れになることがあったらマーティはどうするの?】という視聴者の疑問に対して制作陣が一寸の迷いなく出した回答にも見えましたね。
【好きなシーン】
3部作全般に言えることなんですけど、キャラクターの感情の変化を、視聴者が共感できるように細かく描写しているところが秀逸なんですよね。
今作で特に唸ったのは、(マーティの計画を盗み聞きしていた)老ビフの行動で1985年が異なる世界線になったと発覚したときのマーティが【僕のせいだ……】とちゃんと反省しているところですね。あそこでちゃんとマーティが反省することで、再び僕らとしても、彼を応援したい気持ちにさせられるんです。
(その後の【過ぎたことだ……】【未来だろ?】というジョークも今シリーズらしいと言えばらしい)
またイーストウッドの【荒野の用心棒】で鉄板を防弾スーツ代わりに使うシーンを見ているビフ(とそこに割り込んでくるマーティ)や、ドクの【宇宙の神秘……女】という発言など、この時点で上映決定していた【part3】の布石となるシーンが随所に見られるのもこの作品らしい細かさです。
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