i l y 絆

@ao627

第1話 公園

 羽根おかえりなさいサプライズパーティからの帰り、自宅近くの公園に寄り道した永遠と翔。


「もー、そろそろ帰ろうや。とわちゃーん。」


「かけちゃん、お願いやから公園の隣にある神社にお参りだけさせてや。」


「えっ?神社なんてあった?」


 半信半疑で永遠の後を着いていく翔。


 公園の脇道を抜けると神社に出た。

「ほらーちゃんとあったやろ。

 久しぶりやけど覚えてたわ、懐かしいなー。」


「懐かしいって、ここに来たことあんの?」


「何や、かけちゃん覚えてないんか?

 うちらが、大阪に引っ越す前にようあの公園に遊びに来た帰りにここにも来たことあったやろ。」


「大阪に引っ越す前?

 何やそれ?オレは大阪生まれの大阪育ち…」


「そうかー

 うちら生まれは東京。パパの転勤で3才の時に大阪に引っ越したのまさか覚えとらんのか。」


「嘘やろ!

 イヤ、でもさっきの公園にもこの神社にも懐かしさわあんのよ…不思議なことに。」


「不思議でも何でもないわ。

 うちら、東京生まれの下町江戸っ子なんやで。」


 永遠がそう言って笑った。




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