第50話 行方不明②
大智の手紙が家に来た次の日に書置きを残して、またどこかに兄貴は行ってしまった。書置きには。
「俺、スーパーレーサーになるわ」
と書いてあった。
いや、どこに行くのかを書置きに残して行けよ。
夕方、鈴が家に来た。
真実を知ったが謝罪をする為に来たのだ。だが、謝らないといけないのは俺の方だ。
「ごめんなさい。私が―」
「俺が悪かった。鈴は何も悪くない。本人に確認しないで決め付けて酷い態度をとってしまって、本当にごめん」
頭を下げる。
「それだったら、私も確認してなかったのが悪い。私の方こそ、ごめんなさい」
謝り合ってこの話はおしまいになった。
帰り際に鈴は俺に告白してきた。
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