第31話 言い訳③

 「っえ?!」


 下を向く西川さん。

 

 「していいって何を?」


 「…その…わ、私もキスを…そうしたら、今回の黙っていた事も許してあげる…」


 西川さんは佐阿がキスされている所を見て1番初めに思った事は「許せない」や「裏切られた」という気持ちではなく「ずるい」だ。

 自分とはまだ、キスをしていないのに。

 

 戸惑う俺。

 それを見て西川さんは。

 

 「私とキスするのは嫌?」

 

 「そんな事ない!けど、ここは」


 このやり取りを聞いてかどうかは知らないがチラホラと見られている。


 「…じゃあ。こっちにきて」


 少し怒ったように言って俺の手を引っ張りながら場所を移動した。

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