第14話 帰り道③

 日が暮れるまでの時間はだいぶ長くなったが神社のお参りが終わった頃には辺りはかなり暗くなり始めていた。

 

 「じゃあ、また明日」


 一人で帰ろうとする西川さんを俺は慌てて止めた。


 「待って、家まで送って行くよ」


 こんな夜道を一人で帰るなんて危ない。現に西川さんは誘拐されたのだから。

 西川さんは一人でも大丈夫だというが、俺は無理やりでも送って行く気だと伝えると小さく「ありがとう」と言われた。

 そんな西川さんを家に送って行く途中、声をかけられた。


 「佐阿くん?」


 その声はよく知る声だった。

 

 「…鈴?」


 「やっぱり、佐阿くん!」


 鈴がいきなり俺に抱きついてきた。

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