第2話 透明になりたい

 私の名前は西川西川 無華むか

 生まれて直ぐに私はある病気にかかっている事がわかった。

 病名は

 

 『先天性白皮症せんてんせいはくひしょう先天性色素欠乏症せんてんせいしきそけつぼうしょう

白子症しらこしょう


 これらの名称があるが、まとめていうと『アルビノ』と呼ばれるものだ。政治的に言うと『アルビリズムの人(people with albinism)』

 この『アルビノ』とは簡単に言うと、色がない人。

 つまりは、肌や髪の色がなく白い。

 ただ、ここで勘違いしないで欲しい。


 「肌の色が白いなんて良いじゃない」

 

 良くない。

 人間の体の皮膚の色には紫外線を遮断して他の細胞を守る働きがある。

 私にはそれがない。

 みんなが外で走り回ることは私には命の危険にさらされることになる。

 まぁ、「肌の色が白くて良いじゃない」と言われることはそこまで気にしない。

 まだ幼い時、私の事をみんなは幽霊や雪女やミイラなんて呼んできた。

 

 「お前の目赤くて怖いんだよ!」

 

 これも、『アルビノ』の影響。

 目に色がなくて目の中の血管や血で目が赤く見える。

 やがて、みんなの恐れはいじめに変わっていった。

 だから、私は祈った。

 神様に何度もお願いをしに神社に通った。

 毎日。

 毎日。

 毎日。

 

 「色が無いのなら、白より透明にしてください」


 透明なら誰にも何も言われずに静かに過ごす事ができるから。

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