異世界転生だと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢でした。

水無月 あざみ

プロローグ

第0話 俺TUEEEな展開? いえ、乙女ゲームです。

男なら誰でも、異世界転生にあこがれがあると思う。


 俺TUEEEEな状態で敵をばっさばっさ倒していく。


 そんな転生を、俺もしたかった。


 こんな俺の名前から紹介しよう。

 山田太郎。

 日本人の履歴書の例に載っていそうな名前だ。


 おかげさまで、「見本の名前を書くんじゃない」と言われた数は数百になる。


 次に、最近の小説は、平凡な名前、冴えない男、異世界で俺TUEEE状態な展開が多い。


 だから、俺も異世界に転生したと思い出した時は、キタコレと思った。


 一時間後に、俺が女で、ここが乙女ゲームの世界だと思い出すまでは…


 なんの罰だよ! そして俺なんで死んだんだよ!


 最後の記憶をたどっても、憶えているのは妹のやっていた乙女ゲーム『プリンシア』を見て


「名前ダサッ」


 と思わず言ってしまい、妹の強烈な頭突きを食らったとこまでだった。


 え、まさかあれで死んだとか言わないよね?


 …あいつ…どんだけ頭硬かったんだ…。

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