第28話 監視カメラの映像/地下 続き

地下世界の街中の映像


 キャロライン・ルルイエの眼前にモスマンが落下。

 地面に激突。

 ピクリとも動かない。

 キャロライン・ルルイエ、画面の外に視線を向け、口を抑えて後退りする。



別のカメラの映像


 キャロライン・ルルイエの正面にルイーザ・ルルイエが立っている。

 ルイーザ・ルルイエは左手にバスケットを下げている。

(キャロライン・ルルイエからオリヴィア・ジョーンズへの手紙に記されていた、サン・ジェルマン・ルルイエの頭骨を収めたバスケットと同一のものと思われる)



 以下、ルイーザ・ルルイエの唇の動き。


「ワタシが撃ち落としたわけではないわ」


「大いなる種族に仲間割れがあったの」


「モスマンは少しイイコ過ぎた。

 アデリン叔母さまを説得しようとしていたし、できていたのかもしれない。

 けれど大いなる種族の……その中の一部には、のんき過ぎるとみなされた」


「まあ、でも、ちょうどいいわ」



 ルイーザ・ルルイエ、バスケットを地面に下ろし、手を伸ばす。

 指のブルーダイヤが光を放つ。

 モスマンの体が地面に吸い込まれて消える。


 キャロライン・ルルイエ、口を開けたまま、へたり込む。

 ルイーザ・ルルイエ、辺りを見回す。

 二度、三度、見回す度に不安げな表情になっていく。

 キャロライン・ルルイエは放心状態で天を仰いでいる。


 ルイーザ・ルルイエ、キャロライン・ルルイエの視線をたどる。

「ああ!! サン・ジェルマン!! あんなところに!!」

 ルイーザ・ルルイエ、走り出し、画面外へ消える

 バスケットは地面に置かれたまま。

 キャロライン・ルルイエ、追いかけようとしてバスケットにつまずく。


 バスケットの中身が飛び出し、地面に転がる。

 画像を拡大。

 飛び出したものは、モスマンの生首。


 キャロライン・ルルイエ、それが何か瞬時には判断できなかった模様。

 しばし凝視したのち、悲鳴。

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