一目惚れなんてしないと思っていた俺が一目惚れをした

きなこもちもち

第1話

季節は春、桜が咲き、暖かい風が吹き始める時期

そして入学式。


「眠いなぁ〜けど、行ってきまーす!」


新しい靴を履き、新しい制服を着て玄関の扉を開けた。

そして、ふわぁ...と大きな欠伸をした。


「おっす翔哉!一緒に学校行こうぜ!」


挨拶したのは俺の幼馴染の加藤 仁と言う。

まぁ、勉強は出来ないが運動神経が良くて顔がいい俗に言うイケメンというやつだ。


「おっす仁、行こうぜ!」


そして俺は高橋 翔哉で、顔は良くも悪くもない中間くらいで運動神経はまぁ、良い方だと思う。


「それにしても中学の時は学ランだったから、高校に入ってブレザーに変わると結構違和感あるよな〜」


その違和感はよく分かる


「だよな〜特にネクタイなんて結び方わかんねぇよなぁ...」


学ランの時はネクタイなどなかったので結び方など分かるはずもない


「俺ネットで結び方見てやったぜ?」


まじか...俺と同じじゃん...


「仁、俺もお前と同じ事したわ」


ケラケラと二人で笑いながら登校していた。



俺達の向かっている高校は府立寺田川高等学校と言う学校でそこそこの学力が無いと行けない人気の学校だ。

校舎が綺麗で、教師のレベルも高く、周囲の人達からの評価も高い。



学校に着き、クラス表を見て仁と同じクラスなので安心した。


「4組か〜どんなクラスなんだろな!」


仁はワクワクしているようだ。


「まぁ〜皆仲良くできるクラスがいいな!」


これは本音だ、ギスギスしたクラスなんて絶対嫌だ。


「お、ここか!えーと席は俺はと、え!?俺マジでど真ん中じゃん!?」


仁は真ん中の列で丁度真ん中の席だ。


「マジか〜、翔哉はどこだ!はぁ!?1番後ろとかめっちゃいいじゃん!」


俺の席は左端から二列目の一番後ろだった。


「取り敢えず入ろうぜ!」


仁は教室の扉を開けた


「ん?一人しかまだいないみたいだな?それにしてもお前の隣の席の子めっちゃ可愛いな!」


「..................」


「翔哉?どーした?」


俺はその子を見てから目が離せなくなった。

黒髪を肩まで伸ばしていて、顔は幼そうな顔立ち。背はそこまで高くないはず。誰がどう見ても美少女だと言うだろう。



俺は一目惚れなんて絶対無いと思っていたけれど、この時俺はその子に一目惚れしてしまった。


「なぁ、仁?俺前に一目惚れなんて絶対無いって言ったけどそれ取り消すわ...」


仁は「お、おう?」と言った。


「翔哉お前あの子に一目惚れしたのか?」


仁がニヤニヤしながら俺の顔を見る。


「あぁ、こんな事ってあるんだな...」


彼女の名前はなんて言うんだろう...

俺は座席表を見た。

彼女の名前は...


「神城 楓か...」


そう俺いい俺は自分の席へ向かった...








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