第16話

歴史書はしる

その時の慟哭どうこく

その声は木々を折り

その声は砦を崩した

その声は山野を駆け

命という命を無きものとした


荒れ果てた大地に

水も緑も命もなかった

ただ一つ

少しだけ形を残した

インデエリアルの砦だけがあった


その砦には地下があり

歴史を記した書物が残っていた

だから人形ひとがたの命が

知恵をつけて砦を知ったとき

歴史の歯車はまた巡り始めたのだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る