第4話

ウリュュュュュュ

森からもの悲しげな音がする

夜のとばりが落ちはじめ

砦はざわめきと明るさを増す

真昼のような灯りが

森から向かいくるモノを照らし

砦は金属の音を増やして

幸せなる世界への道をふさぐ

番人の役割を現す


やがて

腐ったものが混じりあった

異臭が辺りを覆う

火矢のための篝火が

灰を落とすのを見ることもせず

次々と薪は火を継ぎ

異臭のもとを絶つために使われる

怒声と悲鳴と異音が

大きさをかえて響く


夜空が後退あとずさりしはじめ

恒星こうせいの光を受け入れるころ

うめき声と駆け足とが交差して

人々は死骸の弔いを終える


日々の繰り返しを終える者以外は

また同じ1日を過ごす

そして夢が身体に触れそうになったとき

ドドンッと重く響く音が

次の訪れを報せる

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