※
バイトで覚えた簡単な料理を数種類、二人分の弁当に詰め込み、朝食の後片付けも終わるとインスタントコーヒーが入ったコップを差し出す。
「今日は遅い?」
「んー、残業あるけど出来るだけ早く帰るようにするよ。メールする…はい、出来た」
笹原は新しく始まったプロジェクトのメインメンバーに選ばれたらしく最近は忙しい。
でも休みの日には、できるだけ二人の時間をとってくれるし、その時間を大事にしてくれる。
未だに慣れないネクタイに四苦八苦する透を見兼ねて、笹原が締めてくれる。
それがもう日課になってしまって、透はちっとも上達しない。
「行って来ます」
バタバタと忙しい朝もお互いにキスを交わす。
そうして一緒に乗り込むのは、あの朝の電車。
三両目ではないけれど。
了
幸せさがし 遠谷カナ @spica-kira
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