※
お互いに固まる二人を見兼ねて取り持ってくれたのは晴樹だった。
(あの時背中を押してくれた晴樹に感謝しよう)
晴樹のことをそんな風に思えるようになった、誠司にも感謝したい。
一頻り泣いたあと、透が顔を上げると笹原も目が赤くて。
それから二人で少しだけ笑って、
一緒に居たのは仕事先の人だとか、晴樹との関係だとか、
それまで怖くて不安で聞くことすらできなかったお互いの気持ちを確かめあって
笹原の隣りで久しぶりに、透はぐっすりと眠りについた。
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