ようやく、

再び部屋の暖房を入れて暖める。






笹原に直接当たらないように配慮して、コーヒーを差し出す。








「随分長い時間、外で待ってたんだ…」






冷えきった笹原の頬へと掌を当てる。






その頬の冷たさを己の掌から、体温を分けるように両手で包み込む。








「来てみたは良いけど、チャイム押す勇気がなくってね」




情けなそうに小さく笑う笹原に、つられて笑う。






その瞬間、ギュッと強く抱き締められた。






「透くんと会えない時間の方が寒くて、辛かった」




「嫌われたんだって思ってた」










透は笹原の背中へと回した腕に力を込める。








笹原の匂いが鼻先を掠める。








その瞬間、笹原への想いが溢れ出す。














とめどなく溢れていく気持ちにセーブなんてものは効かなくて。












「俺の方が嫌われたって思ってた」

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