再び、取り戻す―(25/26)


※~[さらに外野の会話]~※



「あいつはお前にそっくりじゃの~」


「あら、そうですか?」


「頑固で、強がりで、周りに頼ろうとせんところなどそっくりじゃろうが」


「もう昔の話です。私もあの子も、変わりましたから。それに、根っこの性格はまったく似ていないと思いますよ」


「確かに、昔のお前はガキのくせに変に大人びていて、愛想の悪い娘じゃったからの~。凛よりも遥かに手こずったわい。一度も〝父〟とは呼ばんかったしの」


「すみません♪」


優司ゆうじがいなかったら、お前は一生独り身じゃったかもな」


「そうですね。……そろそろ、一度ウチに帰ろうかしら」


「まだ帰っていなかったのか?」


「ええ、いろいろと忙しくて」


「まあ、あいつはお前がおらずともピンピンしておるじゃろうがな」


「師匠もそう思います? けど、この間王ちゃんが言っていたんです。私が出ていった後、あの人が泣いていたって。私の前では涙なんてほとんど見せたことがなかったのに」


「ほぉ、あの優司がか。世にも奇妙な出来事じゃな」


「でしょう? やっぱり、あの人は一生理解できません。何が本当で、何が嘘なのか……」


「あいつはお前に嘘などついておらんよ。ただ、化けの皮を被っとるだけじゃ。立派でありたいと願うがために」


「そういうところは、王ちゃんに多少なりとも受け継がれてしまったようで。血の繋がりは怖いですね」


「そうじゃな。あやつの本性が知りたければ、一度化けの皮を剥がしてみるといい。そう簡単にはいかんと思うが」


「今度、大人の色気で悩殺でもしてみようかしら♪」


「あいつにそんなものが効くのか?」


「効かせてみせます。なんなら、師匠も体験してみます?」


「残念じゃが、ワシは女子高生にしか興味がない!」


「相変わらずの変態ぶりですね」


「それは最高の褒め言葉じゃな。かっかっか!」


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