そして、甦る―(24/34)



「──でも……真理は……生きてた……。目が覚めた時には……体に包帯がいっぱい巻いてあって……ベッドの上で……寝てた……」


────。


「……多分……病院……。お医者さんとか……いっぱいいた……」


────。


「でも……近づいてくる人が……みんな怖くて……向こうも……真理を怖がってた……」


────。


「気がついたら……変な部屋にいて……お医者さんも……いなかった……。部屋に来るのは……たまにご飯を持って来る人だけ……」


────。


「長い間……ずっと一人ぼっち……。外に出たいとか……いつまでここにいるのとか……そんなことも、思わなかった……。生きたいって……思ってなかった……」


────。


「……でも、ある日から……変な人が……真理のところに……来るようになった……」


────。


「少し、歳上のお兄ちゃん……。最初は……窓から覗いてくるだけだったけど……そのうち、部屋に入って来るようになった……」


────。


「怖くて……何度も何度も追い払ったのに……何度も何度も……やってきた……」


────。


「毎日やってきて……毎日話しかけてこようとした……」


────。


「そしたら、真理は……ずっと……お兄ちゃんのこと……考えるようになった……。また来るのかな……とか、明日も来るのかな……って、思うようになった……」


────。


「お兄ちゃんが来るたびに……お兄ちゃんのことは……少しずつ、怖くなくなっていった……」


────。


「だから……思い切って……喋ってみようと思った……。お兄ちゃんのこと……たくさん、聞いてみた……」


────。


「お兄ちゃんは……ずっと笑ってて……なんでも答えてくれた……。それが……すごく嬉しくて……温かくて……」


────。


「お兄ちゃんの顔……見てたら……お姉ちゃんのこと、思い出した……」


……!


「お姉ちゃんには……もう会えないって思ってたけど……お姉ちゃんの代わりに……真理のことを守ってくれる人が……来てくれたと思った……」







「だから……お兄ちゃんが、一緒にここから出ようって言ってくれた時……すごく嬉しかった……」



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