そして、甦る―(12/34)
※~[カリオス今田]視点~※
なんだよあいつら……!
なんで……なんで行っちまうんだよっ……!
「さあ!! 少年も早く校外へ逃げるんだぁ!!」
無事に校舎から抜け出した俺は、他の生徒が学校の隣にあるボロっちい市民体育館に避難し始めても、まだ裏庭に突っ立っていた。
「早くしなさい! あなたのせいでわたくし達まで逃げ遅れるではありませんか!」
俺達を誘導する熱血野郎とエラお嬢。
こいつらは、あいつらを置いて逃げることに躊躇いはないのか……?
「……おい……こら……」
「?」
あぁ、そういえばお前もいたなチビ巫女。
「……お姉ちゃん……どこ……」
「は……?」
お姉ちゃんって……トロのことだよな……?
「……お姉ちゃん……いない……」
「あいつは、自分のジジイが心配とか言って──」
「置いてきたっ!?!?」
Σおわっ!!
いきなり大声出すなよ!!
「お、俺は止めたっつーの! あいつが人の忠告も聞かずに勝手に行っちまっただけだ!」
「……お前……最低っ……!!」
なんでそうなる!?
「あいつが望んだことだろ! 俺には関係ねぇよ!」
「……チッ……!」
チビ助は俺を睨みながら舌打ちをすると、校舎に向かってへ走り出した。
「ま、待ちなさい加美!! どこへ行くつもりですの!?」
「……お姉ちゃんの……とこ……」
「バカを言っちゃいけねぇぜオカミさん!!!!」
マジでバカじゃねぇのかよっ、こいつまで……!
「おい! お前が行っても怪我するだけだぞっ!」
「そうですわ! あなたが怪我をすれば、会長が悲しみます!」
「力がないオカミさんは、ただの華奢な女の子だぜい!!!」
……?
力がない……?
「……やだ……。お姉ちゃんが……心配っ……。また……いなくなるの……やだ……!」
また……いなくなる……?
「どんな理由があろうとなりませんわ! ──バカハル! あの子を捕まえなさい!」
「了解したっぜ世麗奈っち!!」
そう言うと、熱血野郎はチビ助を追いかけて走っていった。
「カリオス今田! あなたは来る必要ありませんわよ! そのまま一人でお逃げなさい!」
エラお嬢もあとも追っていく。
な、なんなんだよ……どいつもこいつも……!
俺は……!
俺だって……!
逃げたくて逃げてんじゃねぇんだよっ……!!
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