狂愛人間、現る―(7/21)


「……お前ら……」


おっ、カスさんが立ち上がった!


「お前ら……そんなこと……そんなこと……」


ゆっくりとこっちを振り返って……。


「そんなこと言うんなら助けろやぁぁぁぁ!!!!!!」


∑走ってキター!!!!


「待ってぇ今ダーリン!!♪」


それを追いかけるエリザベスさんも走ってキテるー!!!!


「げっ! こっちに来るぜっ!?」


「クサいの嫌ぁぁぁー!!!!」


「ピーンチピーンチ」


「か、会長!! 指示を!!」


「みんな逃げるんだぁぁぁ!!!!」


わぁぁぁ~!!


皆さん、散り散りになります。


「お前ら逃げんなよぉ!!!!!!」


そう言って、カスさんが向かった先は──。


「少年っ!! こっちに来てはいけないんだぜぇ!!!!」


熱血書記さんのところでした。

書記さん、熱血漢のくせに意外と足が遅いです。

ぐんぐんと距離が縮んでいます。


「ダメだぁ!! いけないぜぇ!! いけないぜぇ!! ──ドファァァッ!!!?」


書記さん、何故かカスさんに体当たりされて吹き飛びました。

吹き飛ばされたその先には…………あっ! エリザベスさんが吐いたヘドロが!!


「わあぁあぁぁあぁぁぁ!!!!!!」


∑──ベチョッ!


「……オ、オーノー……」


御愁傷様です。


「マサハルくん!!」


会長さんは書記さんに駆け寄ろうとしています。

が、既に息も絶え絶え状態になっていて足元がフラついています。

どんだけ体力ないんだ。


「マサハルくんっ……いま傍に……──う、うわぁあぁぁぁぁ!!!?」


∑穴に落ちたぁ!!

会長さんが爆発で出来た穴に落ちたぁ!!


「か、会長っ!!!!」


副会長の盛利桃子さんがすぐさま駆け寄ります。


──この時、私は何故か副会長さんの背後に近づきました。

何故だろう……。

心の底から何かがわき出てくる……フツフツ……フツフツと……。


そして気づいたら、行動に出ていました。


「ダンディンドゥンデンドーン!」


「∑えっ!!!?」


許してください副会長さん。

私もまだまだ子供なんで、イタズラ心がうずいてしまいました。


「きゃあぁぁぁあぁぁっ!!!!!!」


副会長さんは、会長さんの胸に飛び込んでいきました。


「∑グフッ!!」


穴は意外と深かったです。

副会長さんのダイビングを喰らって、会長さんは気絶してしまいました。


「か、会長!? 会長ぉー!!!!!!」


よかったですね、ピーチさん。

会長さんと二人っきりですよ。ハハハ。


「あ、あなたなんてことを……!!」


会計のお嬢様が鬼の形相でこちらを見ています。


「手ガ滑ッテシマッタノデース」


「そんな嘘が通じると思いまして!? 許しませんわ!! 会長と桃子の仇はわたくしが──」


「邪魔だぁぁぁ!!!!!!」


「∑へぶっ!!!?」


うわっ、会計さんがカスさんにハネ飛ばされた!!

ちゃんと周りも見ておかないからですよ。


「っしゃあぁぁぁぁぁ!!!! 打倒正生徒会!!!!」


えっ、敵そっち!?

ハネ飛ばしたのわざと!?

自然と加担しちゃったじゃないですか!


「やっぱ俺達、極悪生徒会は最強だぜぇぇ!!!!」


極悪生徒会!?

なんだそれは!?


「キャー!!♪ カッコいいわ今田くぅ~ん!!♪」


「オメェは来んなっ!!!!」


お前も来んな!!


「おいカスこっち来んなよっ!!」


「あっち行って!!」


「追加で……作りに行きましょうか……」


あ、マッケンさんが校舎のほうに走っていった!

一人だけ避難しようなんてズルいですよ!

そういえば、寮母さん達もいつの間にかいなくなってる!?


「……ちょっと……貴女……」


「∑ワッ!」


いきなり後ろから現れないでくださいよ守護神さん。


「……ここ……危険……逃げる……」


えぇ、言われなくとも逃げますよ。


「……早く……」


え?


「……早く……」


え?


「早く!!」


「ハイっ!!」


ちょっ、スカート引っ張らないでください!


何故私も一緒に!?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る