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shiro

神の気まぐれ

俺は神様を見た。きれいで、どこか儚い神様は、俺の願いを叶えるには代償が必要だって言った。俺のーーが必要だって。


バサッ、と音を立てて何かが床に落ちる。まだ重たい瞼を擦りながら、布団から這い出て手探りで拾うと、それは一冊のノートだった。


 「何だ、これ」


 やけに可愛らしい柄も、表紙に大きく書かれた『起きたら絶対見ること!』という文字も全く見覚えがない。しかし、これを読まないと何も始まらないような気がして、ゆっくりと表紙をめくる。

 『おはよう、俺。っていうのもなんか変だな。読んでいったら分かるだろうけど、俺文章書くの苦手だから要点だけ伝えるな。あ、その前に、ここに書いてあることは、このノートが終わって新しいのに変えるとき、一ページ目にそのまま書けよ!絶対だかな!まぁとりあえず、お前の名前は杉原翔。杉原家の長男だ。本当なら宝くじ当てて、かわい子ちゃんと結婚して幸せな家庭を築くはずだったんだけど、どんなわけか病気になっちゃったんだよね。なんてゆーか、寝て覚めたら記憶がなくなってるっていうの?そんな感じのやつ。だから、このノートに毎日日記をつけること!そして毎朝一週間分ぐらいは読むこと!弟たちに迷惑かけたくねーから、これも絶対守れよ!』


 「すぎはら、かける……」


 ピンとこない自分の名前をつぶやいて、俺はパタン、とノートを閉じた。多すぎる情報が一気に入ってきたことで痛む頭を抑える。確かに、自分の名前も家族のことも、何もわからないし、今いるこの部屋だって見たことない。ノートに書いてあることは本当なのだろう。だが、自分のことなのにどこか他人事で、実感がわかない。再びノートを開く。おそらく病気になったばかりの頃に俺が書いたであろう、お世辞にもきれいとは言えない文字は、ノートの一ページ目をぎっしりと埋め尽くしていて、自分の知らない俺がこれを欠かさず毎日読んでいたのかと考えると、不思議な感じだ。

 『俺は今、いやお前が読んでるときはどうか分かんねーけど、三人の弟と一緒に暮らしているんだ。上から隼人、優、功也。皆兄ちゃん大好きっ子でかわいいぜ。弟のことは次のページに書いてるからそっちも読めよ』

 ガチャ、と静かだった空間に音が響く。予期せぬ出来事に俺は音がしたほうに顔を向けたまま固まっていると、わずかに開いたドアの隙間から一人の少年が顔を覗かせた。癖一つない髪に、眠たげな目。どこにでもいるような普通の少年。少年は俺のいるベッドに近づくと、柵から顔を覗かせた。俺はベッドから降りると少年と向かい合う。


 「……おはよ、かける兄。ノートは読み終わった?」


かける兄。聞き慣れないワードに顔をしかめる。多分弟のうちの誰かだろうが、全く分からない。彼は、誰だろうか。……何も分からない。


 「かける兄、見て」


目の前に差し出された白く細い腕。そこで揺れる少し色あせた青いミサンガ。青、あお……?ビリっと頭に流れる電流。浮かぶモノクロの映像。あと少し、なのに……


 「あ」


 コトンと何かが抜け落ちる音がした。同時に力もぬけ、体が傾き、そのまま少年の腕に収まる。ごめん、と落とされた言葉にゆっくりと首をふった。こいつの悲しむ顔は見たくないと思うのは、俺が兄だからか。とにかくこの空気をどうにかしないと何も始まらない。俺は少年の腕から離れると、今出来る最大限の笑顔を見せた。


 「ありがと、助かったよ。正直今の状況に結構混乱しててさ、いろいろと教えてくんね?えっと、まずお前の名前は?」


 自然と話すスピードが早くなるのはこの際仕方ない。ひとまず、この状況は笑顔で乗り切ろう。俺がそんなこと考えているなんて知らないであろう少年は俺を支えていた手を降ろすと、一つまばたきをして口を開いた。


 「僕の名前は優。優しいって書いてすぐる。かける兄の二番目の弟だよ。ここはかける兄の部屋で、服はそこのクローゼットに入ってるから早く着替えて」


 ササッと出された指示はどこか手慣れていて、俺は毎朝少年もとい、優に起こされ、同じような状況を繰り返していることが安易に想像出来た。


 「あぁ、分かった。俺にはあと二人弟がいる、んだよな?」

 「そうだよ。二人とも下でかける兄のこと待ってる」


 僕、もうすぐ学校だから急いでね、と言い残して部屋を出ていったすぐるを見送って、俺はクローゼットを開けた。少し硬いドアに疑問を抱いたが、特に気にせず開けたのが間違いだった。目の前まで迫った脅威に、俺は小さく悲鳴をあげた。


 「かける兄、クローゼットの中パンパンだから開けるとき気をつけてって、言うの遅かったみたいだね」

 「ほんとにな」


 頭にかぶさった服をそのままに、俺はため息をこぼした。


 あれから残りの二人の弟をすばやく紹介した優は駆け足で学校に向かい、今家にいるのは一番目の弟である社会人の隼人と、末弟の小学二年生、功也。ちなみに今日は土曜日で、優は部活に行ったらしい。


 「かけるにーちゃん」


 ドンッと背中に来た衝撃と同時にかけられる体重。サイドテーブルに突っ伏していた俺は目線を背後にずらす。映ったのは満面の笑みを浮かべた幼い顔と、揺れる黄色いミサンガ。甘えたな末弟、功也だ。


 「どうした?遊びたいのか?」

 「うん、遊ぼ!」


 流石は子供というべきか、にこにこと可愛らしい笑顔に記憶のない俺でも絆され、すぐにこの家に馴染むことができた。背中からのいた功也を抱きしめ、腹をくすぐる。功也は手を避けようと身をよじるが、力が上手く入らないようでケラケラと笑いながら床に倒れた。流石に手が疲れてきて、功也の体から手を離す。しかし、功也は逃さないとばかりに腕に抱きついてきた。ふわっと前髪が浮き上がる。


 「次はボールで遊ぼ!持ってくるから待ってて」

 「は、はい」


 小学生とは思えないほどの気迫に思わず敬語になる。功也はそっと腕を離すと、かけっこのようなスタートを決め、部屋を出て廊下を走っていった。入れ替わりで部屋に入ってきた隼人が、功也の消えた廊下を見て苦笑する。


 「よっぽどトラウマになったみたいだね。はい、お茶」

 「お、サンキュ。トラウマって、何かあったのか?」


 緑色のミサンガが揺れる白い手からカップを受け取り、両手で包み込む。サイドテーブルを挟んで向かい側に座ったはやとのシャツに書かれた「朝飯前」と言う文字が目に入った。顔良し、スタイル良しの美形男子がシャツ一枚で霞んでしまう。ある意味イケメンの無駄遣いだ。そもそも兄弟のはずなのに、窓ガラスに映った自分の顔と似ていないとはどういうことだ。まるで俺の気持ちを悟ったようにカップから登った湯気が、視界をかすかに遮った。


 「数日前にね、功也が止めるのを無視して兄さんが外に出たことがあったんだけど、兄さん、町のことも覚えてなかったから、迷子になって功也が寝る時間になっても帰ってこれなかったんだよね。それが功也にとっては怖かったみたいで」

 「ふーん、そんなことあったのか」


 他人事だね、と笑われるけど覚えてないものはしょうがないだろう。少し冷めてしまったお茶を口に含む。苦味が思ったより強くて眉を寄せた。


 「かけるにーちゃん、ボール持ってきたよ!はやとにーちゃんも一緒にやろう!」

 

 ボールを持った功也が部屋に駆け込んでくる。ハイテンションで待ちきれないと言うようにその場で駆け足をする功也の手を引いて部屋を出た隼人が、俺のほうを振り返る。

 

 「兄さん、行こう。日が暮れる前に」


 こいつらは、不安になったりしないのだろうか。一日で記憶をなくす俺に。自分たちのことを何も分からないと言う兄に。悲しくなったりしないのだろうか。かすかにあがる湯気を見つめる。湯気は不安定に揺れながらあがっては儚く消えていく。その奥では隼人が不思議そうに首を傾げた。


 「兄さん?」


 俺は笑った。今出来る精一杯の笑顔で。すっかり冷めきったコップからはもう湯気は上っていなかった。


 「ここは…俺は誰だ?」


 そしてまた、俺の知らない俺の一日が始まるのだ。


 パラパラと静かな部屋でめくられる紙だけが音を立てる。弟の隼人からの命令でクローゼットの中を片付けていた俺は、雑に積まれた何冊もの見覚えのあるノートを見つけ、読書タイムへと移っていた。朝、ベッドの上で見つけたノートと同じ柄をしたそれには、やはり記憶をなくす前の俺が書いたであろう状況を説明した文と、一日にあったことが書き記してあり、過去の「俺」の思い出が詰まっていた。ふと、ページをめくっていた手が止まる。


 「日曜日が、ない……」


 金曜、土曜、飛んで月曜。さらに先を見てみれば毎週のように飛ばされた日曜日は、他のノートにも見当たらない。書き忘れた?毎週のように?いや、いくらなんでもそれはないだろう。ならばどうして?ドクン、と心臓が大きく波打った。次いで、揺らぐ視界。まずい、確か今日は日曜日だ。無意識にベットの柱を掴む。しかし、自分の意思とは反対に、俺は立ち上がり、ドアノブをひねった。家には功也しかいなかったはずだ。今の俺は何をするか分からない。どこに行くにしても、気づかれないように……。そんな願いも虚しく、功也がひょこっとリビングから顔を出した。どうやら腹が空いたようで、功也は腹をさすっていたが、止まることなく玄関に向かう俺を見てさっと顔色を変えた。


 「だめだよ、かけるにーちゃん!行っちゃだめ!行ったら、かけるにーちゃんおかしくなっちゃう!」


 階段を降りきり、靴を履き始めた俺の体に功也は必死にしがみつく。


 「お昼、お昼ご飯一緒に作ろ!ね、だから行かないで!」


 しかし、小学生の力というのは微々たるもので、外へ出ようと動く俺の体を止めることは出来ない。そればかりか、言うことを聞かない俺の手に振り払われて、功也は玄関に転がる。ケガしてねーかな。トラウマがひどくなってねーかな。頭ではそんなことばかり考えるのに、足はためらうことなく家を出て、知らない町を歩く。五分か、それ以上か。歩きまわった末についたのは、何もない、寂しげな場所に立つ腰の高さほどの祠の前だった。なぜここに来たのか、懐かしさの欠片もない所々ボロボロな祠からは怪しさしか感じられず、一歩後ずさった。


 「どこへ行くの?」

 

 りん、と鈴の音のような声を合図に空気が一気に変わる。神聖さも恐ろしさも兼ね備えた空気は体を震わせる。体の自由が効くようになった分、震えは大きくなる一方だ。


 「そんなに怖がらなくてもいいのに。私達が会うのはこれが初めてじゃないんだから」


 蝶が舞う赤い着物が視界の中で揺れる。そっと目線を上げた。目が合う。歪んだ俺の顔が映る目が細められた。長い髪が風になびく。

 

 「私が宙に浮いていることに驚かなくなったのは加点してあげたいところだけど、私のことを忘れていてはだめね。マイナス二十点」


 地面に足をつけることなくくるりと回って見せた少女が初めまして?と首を傾げた。そう、浮いているのだ。驚いていないわけではない。状況を理解できていないだけ。きっと百面相しているであろう俺をくすりと笑うと、少女は祠の上に降り立った。ボロボロだったのが嘘のように祠がきれいに蘇る。少女は愛おしそうに祠をなで、空いている方の手の指をパチンと鳴らした。同時に現れた、いくつかのビー玉サイズの透き通った玉。少女は、その中の一つを手に取ると、日にかざし、


 「これは、昨晩末弟くんを寝かしつけた記憶ね。とてもきれい」


 飴玉のように口に放り込んだ。突然襲ってきた喪失感。ガクンと膝から崩れ落ちる。俺は目を見張った。きっと、あれは記憶だ。俺の記憶。こんな俺にも優しくしてくれた弟たちとの……


 「これは今日の朝の記憶ね。みんなで食卓を囲んで楽しそう」


 ああ、そうだよ。楽しかったんだ。楽しかったから……。俺は動かない足に無理やり力を込めた。


 「あら」


 少女は目を瞬かせると、俺を見下ろした。いや、正確には俺の腕の中を。さっきまで浮かべていた笑顔は消えていた。俺は腕の中の物を落とさぬよう、気をつけながら踵を返した。しかし、少女はそれを許さない。


 「その記憶玉は、君の願いを叶える代償に、私が君から回収している物よ。そして、君を守るために回収している物でもある」

 「あいにく、お前に願いを叶えてもらった覚えも、守ってもらう覚えもねぇんだよ」


 道を塞ぐように目の前に現れた少女を睨みつけ、横を通り抜けた。正直、明らかに人間ではない少女からどこまで逃げられるか分からないが、俺はひたすら足を動かした。力は入らないし、腕の中の物、もとい記憶玉もどうしたらいいか。とにかく今は弟たちに会いたい。その一心で走り続けた。


 「へぇ」


 赤い着物が風に舞う。少女は息をきらす俺とは対象的に、すまし顔で再び目の前に現れた。このままでは記憶を取られてしまう。せめてもの思いで、俺は記憶玉を掴んだ手を振りかぶった。しかし、それを制したのは少女だった。


 「こんなことをしたのは今日の君が初めてよ。いつもと違うことでもあったのかしら。まぁ、いいわ。もう記憶玉を回収するのはやめてあげる。だけど、そうすることで、あなたの体がいつまで持つか分からない。弟くん達と一秒でも長くいたいなら、無理はしないように気をつけることね」


 ふわりと記憶玉が浮かぶ。慌てて伸ばした手は虚しく空を切った。少女は最後に笑顔を浮かべると、神様の気まぐれよ、と残して消えた。


 「え……」


 試しに頬をつねってみる。指を離した頬はじんじんと痛みを伴い、熱を持つ。夢のような現実だった。とりあえず、記憶はもう失わなくて済むということだろう。そう考えると一気に力が抜けた。


 「うおっ!」


 力強く肩を掴まれ、体が跳ねる。恐る恐る振り向くと、そこにあったのは、数時間の間で見慣れた顔だった。俺は、ほっと胸を撫で下ろし、なぜか仕事着のままの背中を軽く叩いた。


 「そんな深刻そうな顔をしてどうしたんだよ、隼人。何かあったのか?」

 「兄さっ……」

 「てか、お前汗だくじゃん。いくら暖かいからって風邪引、く……」


 目の前が突然暗くなる。背中に回された手のお陰で、抱きしめられているのだと理解するのに、そんなに時間はかからなかった。引き剥がそうにも、背中に回された手が震えていることに気づいてしまっては、兄として抱きしめ返すしかない。


 「どうした?何でも兄ちゃんに言ってみ?」

 「……った」

 「え?」


 小さな子供をあやすように左右に揺れていた俺は、小さくこぼされた言葉に首を傾げた。ごめん、兄ちゃんよく聞こえなかったから、もっかい言って、と聞き返せば、今度ははっきりと聞こえた言葉に、俺は息を飲んだ。そうか、お前、寂しかったんだな。俺は隼人の頭に頬を擦り寄せた。

 どれぐらい、そうしていただろうか。赤く染まった道の向こうに見えた二つの影に、俺は大きく手を振った。隼人も影に気づいたのか、俺から離れようとするが、隼人の背中に回した腕に力を入れて止める。影は、俺達に気づくと、弾かれたように走り出した。


 「かける兄!」

 「かけるにーちゃん!おれのこと分かる?覚えてる?」


 抱きしめ合った俺達の前に膝をつき、顔を覗き込んでくる二つの影、優と功也。その心配そうに歪められた顔をやめさせたくて、俺は笑って見せた。


 「もちろん、覚えてるよ。後で一緒にご飯作るんだろ?」


 約束だったもんな、ちゃんと覚えてるよ。何かを覚えてられることがこんなに嬉しくて、幸せなことだとは思わなかった。高ぶる気持ちをそのままに、顔を歪めたままの二人の手を引いて、隼人もろとも抱きしめた。蛙の潰れたような声が聞こえたが、それでも気にせず、腕に力を込めた。


 「かけるにーちゃん」

 「ん?どうし……どうした!そ、そんなに痛かったか?ごめんな」


 もぞもぞと動く功也に優しく問いかければ、腕の中で涙腺が崩壊したかというほど涙を流す姿があって、俺はギョッと目を見開いた。子供を慰める方法など、兄として数時間しか活動していない俺に分かるはずもなく、俺は隼人に助けを求めた。隼人は涙れる涙をそのままに笑って見せると、功也の背中を優しく撫で始めた。弟から一瞬で兄へと変わった隼人の横顔を盗み見る。

 

 『覚えていてくれて、良かった』


 ポツリと小さくこぼされた次男の言葉。それは紛れもなく本心で、俺の心に深く突き刺さった。今までどれほどの心配をかけてきただろうか。朝起きるたびに、自分のことを他人扱いする兄に、何を思っただろうか。きっと、今まで積み重なってきた悲しみは、俺には計り知れないだろう。そう考えると、いても立ってもいられなって、依然として功也の背中をなで続ける隼人の頭をくしゃりとなでた。


 「に、兄さん、何を……」


 なでられることに慣れていないのか、耳まで赤く染める隼人を見て小さく吹き出す。一人で笑い声をあげる兄を、三人の弟は怪訝そうに見上げてくるが、俺は幸せだった。記憶を失くす前の「俺」が、何を願って、なぜ不思議な少女に守られることになったのか、知らないことばかりだが、俺はこのままずっと、腕の中にいるこいつらの兄でいたいよ。

そんなことを願うこのときの俺は、間近に迫る、物語の終わりになんて知る由もなかった。日が沈みかけた冬の小道。物語の結末を知らない兄弟の笑い声が響いていた。


 「そんなに怒らなくてもいいじゃない。貴方の願いはちゃんと叶えているのだから。大丈夫よ。どんなに足掻いても、物語の行き着く結末は変わらない。これは私とあの子の物語なのだから」


 光を作っていたろうそくの火が消え、暗闇が歪む口元を隠した。

 


 



 


 


 


 



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